幻冬舎単行本<br> すくえた命 太宰府主婦暴行死事件

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幻冬舎単行本
すくえた命 太宰府主婦暴行死事件

  • ISBN:9784344042131

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内容説明

あの時、警察が動いていれば、
死なずに済んだのに――。

2019年10月。福岡県・太宰府市で平凡な主婦の凄惨な遺体が見つかった。

大事な家族を惨たらしい形で失った遺族の悔恨、慟哭。
洗脳し暴行の限りを尽くした犯人の非道、残虐。
落ち度を否定し続ける佐賀県警の無謬主義、厚顔。
ローカル局若手記者の逡巡、苦悩。

報道特別番組「すくえた命~太宰府主婦暴行死事件~」(2021年日本民間放送連盟賞番組部門・テレビ報道最優秀賞受賞)取材班リーダーによる、渾身のノンフィクション。


無残な姿で見つかった高畑瑠美さん。瑠美さんは山本美幸と岸颯(傷害致死罪等で起訴)に同居を強いられ、洗脳、暴行され命を失った。夫や2人の子供と幸福な家庭を築いていた主婦が、なぜ?
「何度も鳥栖警察署に相談に行っていたのに、全く動いてくれなかった」――遺族の告発を聞いたテレビ西日本報道部は調査報道を開始。取材で浮かび上がってきたのは佐賀県警鳥栖警察署の杜撰な対応だった。塩塚記者は、遺族と向き合い、犯人の背景を探り、佐賀県警の無謬主義とぶつかる。そして報道の注目度と比例するように重くなる“背負った荷物”に、次第に押しつぶされそうになっていく。ローカル局若手記者たちが挑んだ2年に及ぶ調査報道、辿り着いた真実とは――?

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

fwhd8325

63
事件の悲惨さ。佐賀県警の意識の低さ。どれもが辛くのしかかってくるようだった。この事件の記憶は薄らとあるだけでした。この事件に限らずに、当事者でない私たちは、他人事として時の流れと共に記憶から遠ざかっていく。問題なのは、警察の体質。警察は事件が起こらなければ行動をしない。この事件にように、そこに瑕疵があれば、徹底的に正当化する。それは反社会的組織のように感じます。事件の全貌は、あまりにもむごく、読むこともためらう内容でした。2024/03/02

おかむら

24
ローカル局(福岡)の調査報道ノンフィクション。東北に住んでるせいか2019年に起こったこの主婦暴行死事件のことは記憶に残ってなかったけども、この丹念に追いかけた2年間の記録は読みごたえあり&一気読み。犯人たちの残虐性も特異でおぞましい(でもこういう被害者の心身を支配してコントロールする女ってなぜか九州方面に多いような気がする)が、さらに佐賀県警の体質がほんとに腹立つわ! 去年(一昨年?)見た連ドラ「エルピス」にも通ずる、そしてさらにこちらはノンフィクションなので怒りと無念が胸を打つ。2024/05/29

ミノムシlove

14
鳥栖警察署は腐りきっている。警察が仕事をしなかったら誰が助けてくれるというのか。この事件、上層部はもちろんだが、被害を訴えた市民の声を最初に聞いた末端の警察官までおかしい。上は保身に必死・下は人間がおわっている。脅迫電話をせっかく記録に残したのに、ものの5分も聞かずにあっさり却下するとは。この電話に関しては、かけた本人すら[脅迫]だと認めるものだったにもかかわらず。これが自分の身辺で起きたら、と想像する力さえないのか。亡くなった方は帰って来ない。ならばせめて膝を屈して心からわびるのが当然なのに。2024/04/18

ひねもすのたり

13
2019年に発生した大宰府主婦暴行死事件を追ったノンフィクション。 凄惨な犯行内容はまさに鬼畜の所業に尽きますが、著者を中心としたテレビ西日本の取材班が追い続けたのは犯行前に十数回にも及ぶ家族の訴えをうやむやにしていた佐賀県警の怠慢。 もし警察が動いていたなら妻(娘)は確実に助かっていたはず。そんな遺族に寄り添う若いテレビマンの苦悩と葛藤、そして情熱を感じ取りました。 コロナ報道の影に隠れていたせいもあると思いますが、この事件をまったく知りませんでした。テレビもちゃんとチェックしないとね。★4.5 2024/07/10

フロッグ

11
加害者は当然だが警察にも激しく憤りを感じた。途中、情けなくて泣けてきた。福岡県警は俊敏に動いてくれたのに。TNCの取材班にも頭が下がる。世に知らしめてくれてありがとう。2024/05/08

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