内容説明
続発する「身近な危険」発生のメカニズムを解き明かす――エレベーター挟まれ事故/学校シャッター落下事故/回転ドア挟まれ事故/ベビーカー引きずられ事故…など。「失敗学」は、「危険学」に進化した!
●従来型の考え方では、なぜうまくいかないのか。
たとえば、作業手順を示している「マニュアル」には「ここを通れ」というような指示しか書かれていない。これを読めばたしかにそのやり方はわかるが、どこにどんな危険があるかという知見は得られない。そのため「マニュアル」が想定していない問題が起こったときには対処ができないということが必ず起こるのである。一方、「べからず集」には行動に関する制約がたくさん書かれているが、ここにもやはり、危険のそばを通過する方法に関する知見はいっさいない。「マニュアル」も「べからず集」も、危険防止の役割はほとんど果たしていないのである。――<第一章より>
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
丸太
4
興味深い。在り得る事故は必ず起こる。予測し難い事故は惨事になる。手動作業も急には止められない。ハインリッヒの法則。リスクはゼロにはできない。正しい手順だけのマニュアル化ではなく、各人がリスク感性を磨き、リスク回避の規範や文化を築こう。なお、責任追求よりも原因究明が事故防止には重要。2016/01/24
takao
2
ふむ2023/01/17
cochou
1
六本木のビルの回転ドアに子供が挟まれ死亡した事件を中心に危険を把握、分析し対応するための知恵が詰まっている。2011/02/06
うじくら
1
設計者の中では有名な『失敗学のすすめ』の畑中さんの本。 これはとてもためになった。今まで漠然と頭の中で考えていたことが、整理され、増補され、文章化されていた。 読み進めていくなかで自分の考えの甘さなどが書き換えていく感じがしていった。一生読み直し続ける本に出会えた。2012/12/15
樹燐
0
手動ドアは、人間が扱うから安全。自動ドアは、機械が動かすから危険。 ということは間違っているということに目から鱗。 責任追求と原因追求の違いは、心に書き留めておく。2017/04/10