ひとりでいいんです ―加藤周一の遺した言葉

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ひとりでいいんです ―加藤周一の遺した言葉

  • 著者名:加藤周一【著】/凡人会【著】
  • 価格 ¥1,595(本体¥1,450)
  • 講談社(2022/07発売)
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  • ポイント 420pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784062174497

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内容説明

加藤周一氏が逝ってはや3年。まさに危機に直面している日本と世界の現状を見て「加藤周一だったらなんと言うだろうか……」との思いを抱く向きも多いかもしれません。その一方で「カトウシュウイチってだれ?」という人も確実に増えているでしょう。
 本書は、戦後日本を代表する知識人がその晩年、市民グループの求めに応じて談論風発した記録です。
 内容は多岐にわたり、戦争と憲法、ファシズム、歴史認識問題、ヒューマニズムと文学・映画、社会主義の功罪など市民からの時に素朴、時に尖鋭な質問に真正面から答え、さらに踏み込んだ答えを示すさまは、さまざまな批判はあるにせよ、「戦後」という時空間の最良の部分がどこにあるかを示してくれます。後続の世代に託された軽やかにして熱い言葉の数々。加藤周一の人物像に迫る入門書としても読める本です。

目次

第一章 こんどは勝ちたいですね──戦争と憲法を語る
1 十五年戦争
2 濁流に呑まれて
3 私たちの憲法のゆくえ
第二章 ひとりでいいんです──歴史をめぐる対話
1 何を読み、いかに答えるか
2 戦争認識と戦争責任
3 「近代化」論の陥穽
第三章 複数の視点から──文学と宗教をめぐる対話
1 『神幸祭』の世界
2 『日本文学史序説』の射程
3 科学と神秘主義
第四章 「名前」の力、眼の力──芸術をめぐる対話
1 世界のクロサワと日本の非常識
2 『しみじみ日本・乃木大将』を観る
3 若冲の視線
第五章 技術者と知識人のあいだ──現代社会をめぐる対話
1 社会主義の未来
2 中国をどう見るか
3 科学と個性
第六章 人生のいちばん大事な部分──最後の対話
1 周恩来のジョーク
2 わが信仰と語学修業
3 ソルボンヌの蛙
加藤周一さんと凡人会──少し長めのあとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

奥澤啓

34
加藤周一で読むべきは、『羊の歌』、『日本文学史序説』、『日本文化における時間と空間』の三冊。人物像を知りたければ、この、『ひとりでいいんです』をあげたい。凡人会という市民グループ代表との対話のため読みやすい。話題はきわめて多岐にわたる。加藤さんと凡人会の集まりでは、参加した人の学歴や職業などには、加藤さんはまったく興味を示さなかったという。大切なのは、その対話での言葉であり、その内容であり、その時間を共有するという精神の運動なのだ。権威主義とは完全に無縁の、とにかく、飾らない、自然体の人であったらしい。2014/12/21

荒川ながれ

3
2011/12/15 初版 講談社 1,800円 1919年(大正8年)生まれ-2008 朝日新聞の「夕陽妄語」を読んでたくらい。インタビューで読みやすい。十五年戦争のこと。 日本国憲法の憲法9条への希望と護憲への強い思い。「夜と霧」「ショアー」、アーレントのこと。天皇制のこと。ジョンフォード→黒沢→スピルバーグと映画のこと。資本論は資本主義の分析だということ。核兵器のこと。乃木大将、中国のこと。孔子の徒であること。縦横無尽な知識。再読へ。2024/09/27

林克也

2
この本を読んで、日本という国の、あまりの情けなさを改めて思いました。加藤さん達のような真っ当な知識人の発言や著書が、もう少し多くの人に浸透し共感される世の中になって欲しいと強く思います。  2013/07/06

ねぎとろ

0
「次は勝ちたいですね」と言える粘り強さの根源には、一人の理解者がいればいいということか。2021/08/17

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