内容説明
はるな檸檬氏、感涙! 最初の自殺未遂から30年。誰よりも人付き合いが苦手だったあの頃。
「大丈夫?」「大丈夫だよ」 湿った暖かい手を握り、私たちはそっと歩き出す。
「孤独だったんですね」
その言葉を耳にして、私は喉の奥に何かが詰まり、次の言葉をつなげなくなった。自分が孤独だということは薄々感じていたけれど、それを認めたくなかったのだ――
いじめに遭っていた子供の頃、ペットのインコが友達だった。初めてできた恋人には、酷い扱いを受けた。たくさんの傷を負い、何度も死のうとしたけれど、死ねなかった。そんな私をここまで生かし続けたものは何だったのか。この世界には、まだ光り輝く何かが眠っているのかもしれない。そう思えた時、一歩ずつ歩き出すことができたのだ。
どん底を味わった著者が、人生で出会った人たちとの交流を見つめなおし、再生していく過程を描いた渾身のエッセイ。
「人生はクソだ。それでも生きてさえいれば、いつか必ず美しいものに巡り合う。そういうふうに、できている」――はるな檸檬氏
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ネギっ子gen
52
【死ぬほどさみしかったし、今もさみしいけど、生きています】 たくさんの傷を負い、何度も死のうとしたけれど、死ねなかった。そんな私を、ここまで生かし続けたものは何だったのか――。この世界には、まだ光り輝く何かが眠っているのかもしれない。人生のどん底を味わい尽した著者が、出会った人たちとの交流を通して、自身を見つめ直すエッセイ。<これから先の人生も絶望や裏切りが待ち構えているだろう。けれど、その横に何か素敵な贈り物がそっと置かれているのを私は知っている。そのプレゼントのリボンを解くまで、まだ私は死ねない>。⇒2022/09/08
アコ
24
著者4冊め。人との出会いと別れにまつわるエピソードを幼少期から時系列に綴る半生記エッセイ。前作、前々作は共感できない箇所が多かったけど、今回は心優しいクラスメイトやサークル部長との淡い恋など前向きな話が多くホッとする。(ただの一読者なのに笑)人付き合いが苦手な自分にモヤモヤしながらも、わかりあえる人たちとの出会いと繋がりを大切にしてアクティブに行動する姿は素直にすごいなと感じた。「私のことを忘れないでいてくれたことが、ただひたすら嬉しい」って深いなぁ。容易に人に会えないコロナ禍だから尚更そう思うのかも。2022/01/31
せっちゃん
15
2021年11月発行、著者2冊目。この方の人生を紐解いていっているような文章でした。じぶんの人生の参考になります。2022/08/06
よしじ乃輔
8
家と学校で人とうまくやって来れなかったという著者の人生を振り返ったエッセイです。小中学での疎外感。孤独から逃れたい気持ちの描写がとてもとても淡々としそして素直。が、為に生々しく刺さってきました。第二部では積み上げた人間関係による孤独脱出を紹介。やはり孤独は人を蝕んでゆくものなのか、と改めて思いました。生きにくくするもしないも自分次第なのですね。それが難しかったりするのですが…。2022/01/05
りょう
8
小林さんの本は母親と娘の関係を描いたものを読んだことがあるだけだけど、こんなにずっと孤独に苦しんだ人生だということを知って驚いた。そして、カウンセリングに通ったりこれを書く課程で、その中でも親しくした友だちのことを思い出したり、楽しいことがあったことがわかってきて、絶望だけではないとわかってきたことがうれしい。そう、まだ一回も生ききってないんだから、諦めてしまうには早すぎるよね!2021/12/27
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