内容説明
父・笹川良一から何を引き継いだのか。受けいれざるをえない宿命と、みずから選んだ使命とは。医療問題であると同時に人権問題でもあるハンセン病制圧への道のりを克明に記す。75年間の総決算。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Hiroki Nishizumi
6
すべてはハンセン病撲滅のために。毀誉褒貶の多い父を持つ著者の思いが情熱が伝わってくる。ハンセン病について一般以上の知識がなかったが断片的とはいえ理解が進んだ。大物である父親はネガティブキャンペーンを散々耳にしてきたが結果としては優れた人物ではなかったのだろうかと感じた。またそれを受け継ぎ日々活動している著者も立派だ。2015/05/25
モルツー
3
日本では「凄く少なくなってるし罹ったとしても治せる病」であるハンセン病。しかし、世界にはまだ現在進行形で罹患する人が居て、昔と変わらず差別対象になっている現実があるのだと知ることができた。その現実を変えるため、笹川財団が行ってきたこと。著者である笹川氏の自慢も多少見え隠れするが、どうであれ現地に赴いて患者や元患者と直接話しをして、ハンセン病をどうにかしようとしているその心意気は素晴らしいと思う。2015/07/26
仙人
0
頂いた本。笹川良一の三男「陽平」氏の著作。良一氏についてはほとんど知識はないのですが漫然とギャンブル競艇の胴元といったどちらかというと負のイメージを持っていた。しかしその部分は人道活動を国際的に展開するための資金調達策とのこと。陽平氏はこの事実無根の負のイメージを払拭することと、良一氏の人道活動、特に全世界のハンセン病制圧を引き継ぐことを使命とした。本書は陽平氏が世界中を回り各国の大統領、政府高官等とも面談、通常の交通手段では行けないような隔離された療養所等も必ず訪問したと書いている。読んだ限りでは凄い。2021/06/21