内容説明
震災直後から、東京電力や政府におもねることなく原発事故の真実を報じ、国民の絶大な支持を得た東京新聞。本書はその東京新聞の大反響連載「レベル7」を大幅に加筆して単行本化。「高さ15メートル超の津波」「大量の放射性物質漏出」「全電源喪失」など、すべての危機がかつて一度は警告されながら、東電や政府によって握り潰されてきたという衝撃の新事実を、執念の独自取材によって明らかにする。電子書籍版特別編として、SPEEDIの公表が遅れた真相に迫るスクープを掲載!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kinkin
32
最近公開された「吉田調書」を読むと、この本同様に当時の混乱ぶりがよくわしょうさかる。時系列適に書かれたいるので原発に関わった人達が何をしていていたか明確になる一方で、政府や原子力規制委員たちの狼狽ぶりも露わになっている。一部のマスコミは吉田所長らが原発を放って逃げたなど歪められた報道であったが実際は大量の放射能を浴びながらもメルトダウンを食い止めようとした姿が詳細に書かれていた。しかし今も放射能は流出し続けている。地震や津波に対していかに脆弱な物なのかがよくわかったと思う。2014/08/31
壱萬参仟縁
30
この間、吉田所長の格闘の本を読み、 今回は、新聞記者のルポということで、 別の意味で重要だと思い、借りてみた。 原発にとって水は、血液のようなもの(75頁)。 ということは、今のイチエフは出血多量 でどうなっているのか? と思わざるを得ない。 営為作業中とはいえ、自衛隊の方も 岩熊隊長は3号機爆発で、 23ミリシーベルトと高濃度被曝された(97頁)。 改めて爆発した後の無残な写真をみると、 結構チャチな構造で、 剥き出しになった木材が痛々しい。 2014/04/20
しーふぉ
12
何がその時に起きていたのか⁈ 臨場感にドキドキしながら読んでいきました。 何故あの時の総理が選りに選って菅直人だったのだろう・・・2014/09/20
D21 レム
8
作業員が行ってみたがものすごい放射線量や湿気や高温で何もできずに引き返した、という記述が続く原発事故一週間の記録はリアルだ。驚いたのは、ミドリムシの話。スリーマイル原発事故7年目、廃炉作業のために炉内にカメラをいれたら、大量のミドリムシが繁殖していて、中が見えない。このミドリムシをオキシドールで退治して作業できるまでにするのに、1年かかったそうだ。人が生きられない高濃度放射能の中でも、ミドリムシは生きるだけでなくどんどん繁殖もできる。すごい。2012/10/04
Ted
8
'12年3月刊。東京新聞の連載記事がベースだが非常に読みづらい。普通、新聞記事というのはもっと読みやすいものだが・・・。話題があちこちに飛び、登場人物も単発で出て来たきり尻切れトンボで終わっているなど、あれもこれも盛り込み過ぎた結果、主題が収斂されず、拡散してしまっているのが原因だと思う。また、内容はともかく、そのように感じさせてしまう時点で、記事の「文章力としてのレベル」は低いと言わざるをえない。望むらくはもっと「読ませる筆力」を磨いてほしい。プロなんだから。第3章まで読むのが限界だった。2012/09/29