内容説明
「人形を見せてあげる」遥はそう言って、怪異が集まる島に秋津を誘った。そこに住むのは、幼き彼女の姿をした人形と、男たち。遥の失踪。消えた1日の記憶。破られた封印……。命の灯が1つ消えるたび、一体の人形が動き出す。孤島に秘められた悲愴な真実に秋津はたどりつけるのか!?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
藤月はな(灯れ松明の火)
22
このシリーズの始まりで秋津の「顔」が無貌に取られていなかった頃の物語。普通のミステリーでは考えもつかない設定に沿った不可解と混迷の世界が入り乱れたミステリーで読みにくさを感じつつも隠されたエゴと絶望に押し潰されそうになりました。今回は個人的にお気に入りな巾裂が怖いイメージだったのが少し、残念です。ところで無貌と秋津が鏡で映したかのようにそっくりな印象を受けたのは気のせいでしょうか?2011/06/16
ロビー
10
若き秋津の知られざる青春。最後はそっちかよ!と、突っこまざる得ない結末だが、その後、無貌に顔(存在)を奪われ、巾裂に取り憑かれることを想うと、この恋路は切なすぎる。2012/04/24
紅子
7
再読。シリーズの少し横道ストーリー。久しぶりに読むシリーズは面白い。2021/10/03
じゅんぢ
7
秋津の視点で書かれた過去編。秋津とはこんなキャラクターだったのか。頭が悪いせいか、事件の真相がわかりずらかった。2016/07/09
べる
7
秋津が顔を失った時の話かと思いきや、遥さんとの馴れ初め(?)編だった。遥さんのキャラ造形にどうもブレがあるような気がして、ラストに違和感を覚えた。無貌やらヒトデナシやらの設定には毎度混乱させられる。そのせいもあって、謎解きは何が何だかよくわからなかった。もうちょっとすっきり読ませてもらいたいと思う。秋津と遥の絡みをもっと読みたかった。2011/03/31