内容説明
ある日、ニライカナイの神がこう告げた。「島を大津波が襲うだろう」。この危機の予言を、果たして島人は避けることができるのか? 一方、マブイとしてさすらうピシャーマは、あの世に帰りたいと切に願う。武志とピシャーマの淡い恋に六本足の妖怪豚の横やりが入って、島も恋も大パニックに!? この涙と笑いあふれるマジックリアリズムの傑作は、直木賞候補作にもなって話題を呼んだ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Shoji
62
マブイを落とすってどういう感じなんだろう。そもそもマブイってなんだろう。単にスピリチュアルなものではないようだ。沖縄に生まれ育った人しか分からないのかも知れない。いや、そうであって欲しい。この物語、読み終えてから徐々に、徐々に浸み込んできた。ええ物語やん。お年寄りを大切にすること、自然を敬うこと、土地の民俗や文化を大切にすること、人生何事も前向きに考えること、などなど色々学んだ。2017/12/06
翔亀
40
【沖縄14】(上巻の感想から続く)巻末の膨大な八重山の民俗や古謡の参考文献に驚く。この物語の読み始めのトンデモないわけのわからい世界との印象が、だんだんと馴染んできて、そのうちにずっとこの世界が続いてほしいと思ってしまうのは、八重山の伝統の世界に根差しているが故に世界がしっかりと構築されているからなのだろう。それが、日本の伝統とはかなり異なっているが故に、馴染むためには、これだけの大長編の分量が必要だったともいえる。あとは神と人間たち、生と死と愛の物語に一喜一憂すればよい。そしてこの世界が、石垣島の↓2021/10/31
そふぃあ
24
『パガージマヌパナス』から池上さんの沖縄小説は2作目。毎日ごろごろしぶとく生きる登場人物や摩訶不思議な出来事を見ていると、どんどん「我が心の沖縄」への憧れが膨らんでく。 沖縄の習慣が面白可笑しく分かる。クセが強くて正直読むのに苦労した小説だったけど、何だか物語が終わるのが寂しかった。豚のギーギーやフジオバァは憎らしいのに憎めない2017/03/31
佐藤
22
一気に読んでしまった。それぞれのキャラがよく、沖縄の風習なども書かれていて面白かった!読み終わってからもいい感じでした。石垣に行ってみたくなる物語です。2018/05/13
miroku
18
おもしろうてやがて悲しき・・・。自然と人と精霊とが、南国の濃厚な大気の元に同居する。異国情緒を味わいつつも、どこか懐かしい気持ちになる。2012/08/09