内容説明
元平戸藩主、松浦静山に気に入られ、たびたび下屋敷に呼び出されるようになった雙星彦馬。妻の織江を探しに江戸へ出てきたのだが、天体観測を付き合わされたり、巷で起きる事件の調査を頼まれたり。そのため彦馬の織江探しは、静山が綴る「甲子夜話」のようには着々と進まない。だが彦馬は知るよしもなかった。お庭番の密命を帯びた織江が、飯炊き女になりすまし静山の下屋敷に潜入していたことを。大好評のシリーズ第3弾。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mr.lupin
53
「妻は、くノ一」シリーズ第三弾読了。妻の織江を探すために江戸へ出てきた彦馬だが、元平戸藩主の松浦静山に気に入られて、巷で起きる事件の調査を頼まれたりして中々と思うように進まない。しかし織江は、飯炊き女になりすまし静山の下屋敷に潜入していた。この微妙な距離感が何とも言えない処。また彦馬の手習い所の様子も読んでいて少しばかりほっこりできる。どの部分をとっても楽しむ事ができた一冊だった。第四弾も期待ができそう。☆☆☆☆☆2021/06/22
さら
44
自分の近くに探している妻の織江が居るとは気付かない彦馬と、彦馬に正体を知られないよう見守りながらも彦馬を心配する織江。二人が会える日はくるのかなぁ・・。 彦馬も織江も無事でいて欲しいのに、これから騒動に巻き込まれそうな気がして不安です。でも二人が会ってしまったらシリーズも終わってしまうのでしょうね。それは寂しいなぁ。2017/01/22
優希
42
織江さんを探しに来たはずが下屋敷に呼び出されてばかりの彦馬のようです。前のラストでどうなることやらとハラハラしましたが、どうやら何とかなったようでそこは安心しました。ゴタゴタはあるものの、彦馬と織江さんの逢瀬なんかもあったりして、2人は離れていても愛は壊れてはいないようです。ただ、織江さんは密命のために静山の飯炊き女として忍び込んでいるなんて大丈夫かなと思ってしまいます。織江さんにはひとつの選択が迫られ、どうするのかが気になります。くノ一を続けるのか、足を洗い長屋に落ち着くのか。織江さんの人生やいかに?2014/08/11
zag2
40
彦馬も江戸の生活にだいぶん慣れてきた様子。彦馬のとらわれない考え方で、ちょっとした謎が解かれていき、周囲からの信頼も少しずつ得られてきた。そんな中、川村真一郎が動き出す。まだ3巻目なのにどうなるんだ、この先・・・と思いつつ4巻へ2023/03/30
豆乳くま
35
織江の見守りがハンパない、「待ち人、すでに来ている」が彦馬はわかないだろうな。謎解きは察しがいいのに自分の事となるともどかしい人だ。しかし彦馬が子供達と関わりとても素敵な先生で嬉しい。織江はとうとう静山の反幕府の証拠を掴んでしまった。どうする織江。2015/10/30