内容説明
銀座ホステス・萌子は、当山という男の三年間で一億五千万円になる仕事という言葉に誘われ、稲田と偽装結婚する。だが稲田は船上から転落死を遂げ、誘いをかけた当山も二年後に事故死してしまう。事件を追う浅見光彦は高知にある平家の落人部落にたどり着く。そこに秘められた謎、一族の血を受け継ぐ美少女・佐和とのほのかな恋、浅見の周囲で事件は思わぬ展開を見せ始める。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
夢追人009
164
内田氏の5作目は名探偵・浅見光彦シリーズ期待の第2弾ですね。今回も平家伝説のタイトルはやや弱いなと思いますが、でも人間消失と密室殺人の2つのトリックと真相を予想させずに最後まで読者を迷わせる騙しのテクニックが秀逸でしたね。不可能犯罪2つは種明かしされると「なーんだ、そんなに単純だったのか」と少し落胆しましたが、でも人間心理の盲点を突いたメインの大仕掛けには心底感嘆しましたね。それからミステリー以外の面でも、浅見光彦が一目惚れした神秘的美女との運命的な出逢いのラブ・ストーリーが大いに楽しめて良かったですね。2018/04/28
あつひめ
89
今更ながらですが、浅見シリーズに手を伸ばしてみました。テレビでの光彦役は5人くらいしかわからないけど。爽やかな雰囲気と頭の回転の良さはやはりテレビ以上に原作の方が良い気がします。後半になるにつれ光彦の行動が素早くなっていくところが事件にのめり込むのを表現しているようで私まで夢中で活字を追ってしまう。今回のマドンナ・佐和さんの存在が今後どこかで影響があるのか気になるところです。タイトルの平家伝説…これが事件の中心になるのか?と思ったがアッサリ裏切られ。浅見シリーズで47都道府県を飛び回りたくなりました。2014/04/01
papako
71
続いて浅見光彦シリーズ。お、初のヒロイン登場!しかも未成年かぁ。やはりドラマの印象とずいぶん違う浅見光彦くん。爽やかな好青年という感じなのに33歳かぁ。内容は、確かにサスペンスなんだけど、ひとつひとつ丁寧に描かれているので、読まされる。人気なのもうなずける。ヒロイン出てきても、浅見光彦はずっと独り身だと思うと、なんか流しちゃうな。2018/10/24
k5
62
あいかわらず伝説要素は薄めですが、保険金詐欺をテーマになかなか食べごたえのある一冊。浅見光彦のロマンスもあったりして、バリエーションに富んでます。2022/08/07
涼
61
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2012/06/post-99a2.html 終わり近く、浅見は本書のヒロイン稲田佐和と将来を約束している節があります。 浅見が探偵としてデビューした作品ということで、ひょっとしたら著者ご自身、このあとこんなに続くとは思っていらっしゃらなかったのではないでしょうか。2023/05/07