万物の黎明~人類史を根本からくつがえす~

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万物の黎明~人類史を根本からくつがえす~

  • ISBN:9784334100599

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内容説明

『負債論』『ブルシット・ジョブ』のグレーバーの遺作、ついに邦訳。「ニューヨーク・タイムズ」ベストセラー。考古学、人類学の画期的な研究成果に基づく新・真・世界史! 人類の歴史は、これまで語られてきたものと異なり、遊び心と希望に満ちた可能性に溢れていた。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

absinthe

143
大著。ハラリ、ピンカー、ダイアモンドなど考古学門外漢のポピュラ人類史が流行りの今、彼らの著作は単純化されすぎている上に誤りも多いと指摘する書。狩猟採集民から農耕民への遷移は単純ではなく、また地域ごとに異なる多様性があった。やれば100年で出来たはずの事を3000年以上かけて遷移したのだが、そこには農耕への長い抵抗の歴史があった。農耕が余剰資産を作り出し、そこからヒエラルキが生まれたとするのも単純化し過ぎ。各地で多様な体制が試されていた。2024/06/14

やいっち

94
議論沸騰の書。自由と可能性の書でもある。予備知識のない中でよくぞ本書を見出だしたと自分を褒めたい気分。感想は後日。ハラリやダイヤモンド等はかなり厳しく批判されてる。人類学も考古学もその成果はめざましい。我々はその一端をも知らないとつくづく。三内丸山も考古学の進展で理解が深まるかな。2024/04/09

逆丸カツハ

63
Twitterで見かけた本書の中国史のパートへの批判が自分のレベルでも正鵠を得ているように思え、感動が低減したのだが、それでもなお考えさせられた。本書では通俗的な意味での「進化論」的な歴史観が否定されつつ、評者によって種の起源と並び称されるという現象が起きているが、たしかに、国家の種の起源と言えるものがあると思う。国家の起源について他に取り得た可能性が多数ある中で何かが選ばれたという記述スタイルを取っているから。正確には知り得ないが、柄谷行人の世界史の議論にもいくらか修正が必要なのかもしれないとも思った。2024/02/20

hiroizm

55
人間は自由で無邪気、文明はその自由を犠牲にするというルソー、人間は凶暴で戦争好き、文明はその卑しい本能を抑え込むとするホッブス、現代に広く波及しているその人類史観に対し、アメリカ大陸先住民社会の研究成果を中心に、歴史に埋もれた文献や縄文時代も含む最新の考古学人類学の知見を加え、先史時代の複雑で多様で創造性豊かな新たな人間社会像を提示する意欲作。上下2段組約600Pの重量級、大変な読書だったがとても面白かった。「ホモ・サピエンス全史」「銃・病原菌・鉄」をかなり批判しているので、それを読んだ人には強くお勧め。2024/05/01

ta_chanko

41
原始共産制=狩猟採集社会は平等というのは進歩史観的な幻想。人類社会は始源から多様であり、単純化して捉えることはできない。あえて農耕を拒否し、狩猟採集に戻った人々もいれば、権威主義的な社会から民主的な社会に移行した人々もいる。季節によってそれを使い分ける人々も。隣接するグループの影響を受けて対象的な社会を形成することも多い。農耕の術を知りながら、それを拒否したのは自由な時間を確保するためか。2024/03/08

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