「日本に性教育はなかった」と言う前に - ブームとバッシングのあいだで考える

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「日本に性教育はなかった」と言う前に - ブームとバッシングのあいだで考える

  • 著者名:堀川修平
  • 価格 ¥1,980(本体¥1,800)
  • 柏書房(2023/07発売)
  • 初夏を満喫!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント25倍キャンペーン (~5/18)
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  • ISBN:9784760155293

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内容説明

今度こそ、あらゆる子どもに性教育を、
性の多様性に関する教育を届けるために!

【本書の内容】
2015年にはじまる「LGBTブーム」。そして2018年にはじまる「おうち性教育ブーム」。そうした流れの中で、性と性の多様性に関する教育の必要性が、改めて叫ばれている。

しかし歴史を見れば、権利保障が前に進もうとするとき、それを揺り戻そうとする動きも前後して起こってきた。そんなバッシングがまかり通ってしまったために、性教育の機会が、性的マイノリティの居場所が、奪われてしまったこともある。

そう、戦後の日本には、性教育をめぐって三度のバッシングがあった。そのとき、教員に限らない社会の人々は、何をして、何をしなかったのだろうか? 

気鋭の教育学者がその歴史をひもときながら、バッシングを目の前にしたとき、私たち一人ひとりにできること、すべきでないことを考える一冊。

【本書の見取図】
三度にわたるバッシングの歴史をひもとく!

◆80年代――萌芽期
「性教協」という団体で、性の多様性に関する教育がすでに練り上げられ、実践されていた。

◆90年代――スルーされたバッシング
「官製性教育元年」が興るも、旧統一協会が「新純潔教育」を掲げ、性教協に対する批判キャンペーンを展開。

◆00年代――燃え盛ったバッシング
「七生養護学校」の性教育実践に対し保守派が批判を展開。裁判で教師側が勝利するも、以後、性教育はハレモノ扱いに……。

◆10年代――失敗したバッシング
「足立区立中学」の性教育実践に対し保守派が批判を展開。結果的に、いまに続く「おうち性教育ブーム」につながる。

目次

はじめに
第一章 性教育の原風景
第二章 「性教育」とはどのような教育か?
第三章 性教育バッシング、その実態
第四章 バッシングの炎が燃え盛るとき、そうでないとき
第五章 「性の多様性」を教育の場でどう取り扱うか?
第六章 トランスフォビアのなかで生き延びるために
終章 ブームとバッシングのあいだで考える
おわりに

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

チェアー

10
本来の性教育は、とても創造的で、自分と違う存在に対して許容し、共に社会生活を送るというこの世に生きていく上で、最も大切なことを学ぶ教育なのだ。 だから、まず「性教育」の定義をいろんな人たちと話し合ったほうがいい。性をブームで片付けるわけにはいかない。性は年齢に関係なく一生向き合う問題であって、当たり前のこととして考えるべきことだ。2023/09/25

どら猫さとっち

6
日本の性教育は、何故こんなに前時代的なのか。LGBTQ+が社会に認知されても、男と女というヘテロセクシャルにこだわるのか。ブームとバッシングの間を読み解き、これからの性教育は何かを追求する一冊。今の日本の性教育は、従来の教え方では追いつかなくなる。ジャニーズの性加害報道が多いなか、改めて性教育を見直すべきではないだろうか。2023/10/04

たろーたん

3
知的障害のある子どもたちがいる七生養護学校の性教育が問題化されたのは知っていたが、その後、校長が停職処分を受けて、それが裁判になっていることは知らなかった。しかも、調べると勝訴していたそうだ。性教育に使われた教材を展示するというバッシングもあったみたい。ただ、救いなのは、現在は性的多様性の性教育が進められているが、当時のようなバッシングはまだ起きてないみたい。2025/01/12

takao

2
ふむ2023/12/26

まさと

1
私は、バックラッシュの悪影響に憤るあまり、「日本に性教育はなかった」と言いそうになっていた。ブームとバッシングのあいだ、運動と抑圧のあいだで、先人たちはいたし、今の人たちがいる。バックラッシュをした人、バックラッシュを内面化して自己検閲した人…そんな二項対立では見えなくなるものがあるのだ。また、本書で言及されている「おうち性教育ブーム」のように、「各自で行うならそれでいいんだね!」と片づけられることの怖さを感じた。こども食堂やパートナーシップ制度しかり。2024/10/18

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