明治大正昭和 化け込み婦人記者奮闘記

個数:1
紙書籍版価格
¥2,200
  • 電子書籍
  • Reader
  • ポイントキャンペーン

明治大正昭和 化け込み婦人記者奮闘記

  • 著者名:平山亜佐子
  • 価格 ¥1,980(本体¥1,800)
  • 左右社(2023/06発売)
  • 初夏を満喫!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント25倍キャンペーン (~5/18)
  • ポイント 450pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784865283730

ファイル: /

内容説明

日本の新聞黎明期。女だからと侮られ、回ってくるのは雑用ばかり。

婦人記者たちは己の体一つで、変装潜入ルポ〈化け込み記事〉へと向かっていった──



観察力が光る文才、鉄砲玉のような行動力、私生活でもまばゆいばかりに破天荒。

徒花(あだばな)とされ軽視されてきた彼女たちの仕事を時を超えて再評価し、

型破りな生きざますらも肯定する、唯一無二の近現代ノンフィクション!

目次

はじめに

第一章 最初の化け込み婦人記者
化け込みを生んだ女
「婦人行商日記 中京の家庭」
「鬼が出るか蛇が出るか 記者探偵兵庫常磐花壇」
化け込み以前のスラムレポの世界
下山京子のその後
けもの道を行く

第二章 化け込み前史
職業婦人の歴史
婦人記者の先駆者たち
ごろつきか新聞記者か
されど悲しき婦人記者
婦人記者の恋愛問題
海外の化け込み婦人記者

第三章 はみ出し者の女たち、化け込み行脚へ
稀代の問題児、中平文子現る
文子、ヤトナの秘密を暴く
文子、スター宅に潜入
文子、銃弾を歯で受け止める
闘う知性、北村兼子
兼子、あわやストーカー被害
兼子、アンチと闘う
兼子、空を駆ける夢
S・O・Sの女、小川好子
好子、戦慄の誘惑戦線
好子の化け込みの背後にあるもの
好子の素顔は霧のなか
化け込みブームとその後
ブームも下火に

番外編 化け込み記事から見る職業図鑑
三味線弾き
電話消毒婦
女中奉公
絵画モデル
百貨店裁縫部
寄席の係員
女優養成所
職業紹介所
ダンサー
百貨店店員

おわりに
こんなにある化け込み記事
おもな参考文献
人名索引

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Roko

34
明治時代、新聞社の記者は男ばかりの世界で、そこへやってきた女性たちは、いきなりみんなからジロジロ見られて、下を向いて挨拶するのがやっとだったそうです。記者として採用されても、給与は半分だし、扱える記事も家事などの女性向きのものばかり、そんな中で何とか面白い記事を書こうと知恵を絞った人たちがいたのです。女性記者が女中さんや行商人に化けて記事を書こうというのは、なかなか凄いアイデアだったと思うのです。道端や電車の中でも、大きな声で人の悪口や噂話をしている人がいます。それを参考にして潜入する家を選ぶのです。2024/01/13

ワッピー

32
読者に代わって、気になる仕事の知られざる実態を体験し伝えるという趣旨の下、女性記者が身元を隠して潜入取材を行う「化け込み」。男社会の中、極少数の女性記者が水物とは言え、表舞台に立った記録。今ならできない覗き趣味と個人情報暴露の無茶な企画ではあるが、明治40年の大阪時事新報の初掲載を嚆矢に、その後も様々な誌面で定期的に続いていたことは一定の需要があった模様。最初は一般家庭を訪問して内情を探るものが、次第に特定の職ルポのようになっていったこと、随所に女性を水商売や売春に引き込もうとするベクトルがあったこと、⇒2024/02/29

愛玉子

30
「化け込み」とは、別人になりすますこと。明治から昭和の頃、憧れを胸に新聞記者になったのにほとんど仕事をもらえない上、嘲り罵り足を引っ張り尻を触る阿呆な男どもと渡りあわねばならなかった女性たちの苦労は、ちょっと読んだだけでも目眩がする。そんな中で素性を隠して裕福な一般家庭やカフェに潜入するという、現代では違法だし、当時ものぞき趣味と揶揄される企画に賭けた彼女たちの破天荒な熱さに圧倒された。当時の風俗史としても面白い。ジェンダーギャップ指数125位という残念な順位の現在、多少は改善されたと思いたいですが…(汗2023/08/03

ざるめ

17
「化け込み」というと、ハラハラドキドキの楽しい潜入ルポ?(^^)と思って読み始めたがなかなか厳しい仕事(-_-;)しかし皆さんパワフル!(゚A゚;)番外編の職業図鑑が楽しかった♪2023/10/26

Cinita

13
明治・大正・昭和の報道界に巻き起こった、女性による「化け込み(=潜入取材)」のムーブメントについてまとめた一冊。自ら企画を持ち込んで大当たりさせた下山京子の破天荒さは痛快だけど、名誉毀損スレスレの危険な取材に身を投じざるを得なかった背景に胸が痛む。悲しいことに現代にも通じる話。/巻末の「職業図鑑」は実際の化け込み記事が多く引用されていて、軽妙で観察的な書きぶりは今読んでも面白い。娯楽として愛されていた理由も、婦人記者に限らないあらゆる職業婦人の苦労も伺えてよかった。「電話消毒婦」なんて職業初めて知ったよ!2023/08/31

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/21348868
  • ご注意事項