内容説明
映画好きの青年・江渡木はゾンビが存在し、映画でよくみる出来事が起きる「ゾンビ映画の世界」に転移してしまう。ゾンビ化に抗体をもつ女性・アリスに出会った江渡木は、彼女に一目惚れした結果、「口説き文句」を言ってしまうのだった!
「きみがヒロインの映画を僕に撮らせてくれ!」
かくして二人はカメラ片手に世界を救うため旅立つことに!?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ミヤト
10
カクヨムにて。ゾンビもののパロディが盛りだくさんだった。メインキャラは主人公とアリスであり、「アリスかわいい」を楽しめたので楽しめた。出てくるキャラ多いが、大体死んでしまい場所がコロコロ変わる。ゾンビものに対する造詣が浅いので、実際の映画名をワクワクしながら出されても……となってしまったのがやや残念。2022/10/03
羊山羊
9
死と絶望の果てにハッピーエンドを探しに行くロードムービー!主人公が江度木という名前でまずエド・ウッドのもじりやんと気づいて膝を打つ。映画のお約束展開とエピソードごとにテーマになる映画に沿って綴られる展開のハイブリッドが基本なのだが、選ぶ映画のチョイスがチョイスなので展開の絶望感が凄い。苦しい、鬱々とした流れの中で勇気をもって世界に挑むラストの主人公はちょっとカッコよき。コンパクトな手堅さが売りの1冊。2021/12/23
TERU
9
映画好きの主人公は、自分で映画を撮り何作も発表するがどの作品も酷評ばかりされてしまう。巷では新進気鋭のクソ映画監督が現れたと言われる始末。 そんなある日、彼の前に神様が現れる。その神様は映画が好きらしく、好きが高じて『映画の世界』を自分で作ったらしい。神様は僕に「そこで映画を撮れ」と言い放ち、僕は神様が作った映画の世界に飛ばされてしまう。 神様が作った映画の世界はゾンビ映画の世界らしく、世界はゾンビで溢れていた。そんな世界で僕は、ゾンビに噛まれてもゾンビにならない『アリス』という少女に出会う。 2021/08/23
ラノベの王女様
6
ロメロが好きなら、もっと細部にこだわるべきだったんじゃないかしら。2022/06/19
文太
6
作中でも触れられているが映画『イエスタデイ』みたいに映画が存在しない世界に飛ばされ、神様のためにゾンビ映画を撮ることになる。時折挟まれるゾンビ映画の解説や小ネタ、作者がゾンビ映画好きなのがよくわかる。映画はハッピーエンドでなくてはならないという主人公とバッドエンドではならないという神様。ホラー映画らしくというか、神様の嗜好のためか各話のラストはバッドエンドが多かった。しかし、物語全体のラストは映画『ゾンビ』をモチーフにかすかな希望を持たせたハッピーエンドで終わったのは良かった。 2021/11/01