野生のごちそう――手つかずの食材を探す旅

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野生のごちそう――手つかずの食材を探す旅

  • ISBN:9784750516967

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内容説明

人にとっての“おいしさ”は、野生にとっての不幸なのか

歴史、神話、地理学……深い学識を備えた環境人類学者が、世界各地で食用にされている野生動物をめぐる旅に出た。
アフリカの密林に横行する野生肉の違法取引を追い、世界的に有名なレストラン「NOMA」で蟻を食べ、愛する人とスウェーデンの森でヘラジカを屠る――。


文明の恩恵に浴しながら天然の獣肉を過剰に追い求めた結果、私たちが得たもの、失ったものとは……。グルメの行き着く先を体当たりで探求する、思索に満ちた冒険ノンフィクション。


――「美食」の先にあるものとは何か?


《本書に登場する野生の食材や料理》
  ヘラジカ肉バーガー
  NOMAのフルコース
  墓地で採るニンニク
  猪
  ロブスター
  牡蠣
  ハチミツ
  アオウミガメのスープ
  羚羊(カモシカ)
  センザンコウ
  オオトカゲ
  ナイルワニ
  バイソン
  バッファロー
  山羊
  ヤマアラシ
  毛虫のソテー
  駝鳥
  エルク
  アンズタケ
  アナツバメの巣のスープ……他多数。



【目次】
■ プロローグ 傷心のヘラジカ

第1部 記憶と忘却
 1 香草(ハーブ)と蟻………デンマーク
 2 大型動物の肉、キノコと天然ハチミツ添え………ポーランド
 3 魚、ひれ、殻、はさみ………アメリカ合衆国
 4 直火焼きした野鳥肉のサルミ………アメリカ合衆国

第2部 欲望の対象
 5 森の狩猟肉、根菜添え………コンゴ民主共和国
 6 羚羊(アンテロープ)の肉、トマトとスパイス煮込み………コンゴ民主共和国
 7 野生動物の燻製肉と偽キャビア………フランス

第3部 祝宴と飢餓の季節
 8 ヘラジカ肉のアンズタケ添えクリームソースがけ………スウェーデン
 9 燕の巣と花………ボルネオ
10  野草………ポーランド

■ 謝辞
■ 訳者あとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

くさてる

16
ちょっと、思ってたのと違った感が。この題名ならば、世界各国で食されている自然の食物に親しんで食べてみるエッセイ集とか思うじゃないですか。でも、そんな「手つかずの食材」なんて、そもそもなに?というところから、密猟によって消費されている野生動物などを取材する硬派な内容に……と思いきや、著者のラブロマンス話が挟まれてびっくり。ジャーナリストとしてけっきょく、なにがしたかったのか、なにを見つけたのかいまひとつわからなかった、そんな読後感でした2021/07/25

imagine

9
読了を諦めようかと思うほどの違和感に、何度も襲われた。世界最高級レストランの〈noma〉を批判しておきながら、訪れた先は整備された環境。酒宴やダンスを楽しみ、果てはハンターと恋仲になる。もしこれが中年男性の研究者で、現地女性と寝食をともにしていたら、作品にできないだろう。現地の人々から度々疎まれるのも納得。自然保護と狩猟の間にある葛藤、収穫と持続、自然信仰や伝統文化といった「野生のごちそう」と切り離せないはずのテーマに全く迫れていない。先進国の学術権威丸出しの駄文がベストノンフィクション受賞とは笑止。2021/12/15

jackbdc

6
驚きの発見があった。自分自身についての発見であった。現代的食習慣に漠たる疑問と狩猟採集生活への憧れがあった。野生動物や植物をイケてる食材と見定めて、それらを追い求める旅の様子を博識と繊細な表現で書き連ねる本書を読めば、きっと影響受けて食べたくなると思っていたのが大外れ。野生のごちそうを追い求める生活はカッコイイと思ったのだが、なぜか食欲は刺激されず。かくも自分の食欲傾向が保守的とは予想していなかった。ウミガメもヘラジカも燕の巣にも心動かされることはなかった。直接的な体験を経れば変わるのかもしれないが…。2021/08/06

Megumi Nosaka

1
友人から借りて読んでみた。 人類にむさぼり食われ、搾取される前の自然についての情報には初めて聞くものばかりで、人類が大人しかったときはこんなにも豊かだったのかと、過去が羨ましくなった。 ただ、全体を通して文章が婉曲的なせいなのか、散漫的なせいなのか、分かりにくい。エッセイ的な文と調査報告が混在しており、苦手だった。2022/10/26

河村祐介

1
巨大な喪失と背徳的な食への欲望は、その詩的な表現と相まってノンフィクションながらなぜかJGバラードを思い出す読後感。2021/10/29

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