内容説明
なぜきみは、僕に別れを告げたのか。
冷たい瞳の転校生は、元カノだった！
中学時代、理知は孤高の美少女渋谷ないると、秘密の恋人同士だった。放課後の生物室で誰にも内緒の甘く濃密な時間を過ごしていたが、ないるは転校してゆき、理知に一方的に別れを告げた。そんな気まずい相手とクラスメイトになり、席も隣になってしまう。高校生になって、いっそう大人びて美人になったないるを無視しつつ、意識せずにいられない理知。一方ないるも、理知に冷たい横顔を向けつつ、意味深な発言を繰り返す。
離れようとするほどによみがえる、まばゆい記憶、苦くて痛くて甘い想い。
変わり者の上級生佐伯冴音子の策略により、二人は“恐竜の卵”を育てることになり、ますます意識し合うように。
やがて理知は、ないるの本当の気持ちと、失われた日々の“真実”に触れる……――。
「文学少女」でおなじみ野村美月先生の青春シリーズ第一弾。
※「ガ報」付き！
※この作品は底本と同じクオリティのカラーイラスト、モノクロの挿絵イラストが収録されています。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
芳樹
75
このタイトルからどんな内容を想像するでしょうか。甘酸っぱいラブコメでしょうか？いえ、本作は魂が震えるほどの激情に満ちた恋が描かれる「青春サスペンス」と言えましょう。元カノが転校してきて戸惑う理知。そんな彼を振ったないるの本当の気持ちと過去の因縁はと如何なものか。それが明らかになる中盤からカタルシスに至るくだりには鳥肌が立ちました。一方、二人と関わる先輩・冴音子とイケメン遥平にも裏に隠れた物語があるようですね。前作というのを読めばわかるのかな？過去を乗り越えた二人の未来に幸多からんことを祈るばかり。2021/03/23
よっち
52
中学時代、秘密の恋人同士だった理知と孤高の美少女渋谷ないる。理知に一方的に別れを告げて転校した彼女が、再び転校生として彼の前に現れる青春小説。再会していっそう美人になったないるを意識せずにいられない理知。一方、理知に冷たい横顔を向けつつ、意味深な発言を繰り返すないる。変わり者の上級生佐伯冴音子の策略に振り回されたり、思わぬ急展開に動揺する理知には忘れていた過去があって、不器用過ぎて拗らせてしまう彼らの距離感がもどかしかったですけど、失いかけていた大切なものを取り戻した二人が迎える結末は微笑ましかったです。2021/03/18
かんけー
49
読了♪野村美月さん、お久しぶりの新作(⌒‐⌒)タイトルの罠と恋？どんな感じかなぁとページを捲り...小暮理知は恐竜好きの草食系DK だけども？元カノとの黒歴史を引き摺って(^_^;)中学時代別れた彼女が同じクラスのしかも隣にバッティングなんて？ファンタジー!!?ソコにちょっとミステリー風な渋谷ないると言うJK の個性的過ぎるその立ち位置が更にストーリーをカオスに濃密に？二人の会話が結構感情のぶつかり合いでリアリティー溢れてて苦笑(^_^;)端で二人を見つめる相羽と佐伯さんが面白くw成る程そうきましたか～→2021/03/20
わたー
45
★★★★★数年ぶりに仲の良かった友人に再会したような気分。レーベルを越えて、このような形でまた出会えたことが嬉しい。中学時代の内緒の恋人で、当時、突然別れを切り出された元カノが、転校生として帰ってきたことから始まるラブコメ。いつも不機嫌そうに自分へ接してくる彼女に、奥底で眠っていたかつての恋心が刺激され、次第に翻弄されていく姿が丁寧に描かれており非常に面白い。同じ世界観で定期的に刊行してくれると個人的にはうれしいなあと。2021/04/06
ナギ
34
題名の通りの展開でしたが、元カノが新しい恋人を作ってその過程で過去を思い出していくのですが、燃えるような恋愛感情だっただけにその裏返しも強烈だったという事でしょうか。これからは大丈夫でしょう。少し頼りない主人公ですが……2022/03/25
