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内容説明
「分かったつもり」から「本当に分かった」へ――。新型コロナへの対応も長期戦となる中、緊急対応的な言説ではなく、腰を落ち着けた考察・説明・検証が必要となっている。神戸大学感染症内科教授である著者が、各国の流行状況の違いや流行の波について、諸活動と感染対策・検査・マスク・治療・緊急事態宣言の考え方についてなどをじっくりと解説する。巻末対談では「8割おじさん」こと西浦博教授(京都大学)に丁寧に話を聞く。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
きみたけ
53
著者はダイヤモンド・プリンセス号で一躍有名となった岩田健太郎先生。軽妙な口調でテンポ良く解説しています。「入院患者全員にPCR検査」の有害さを指摘、目の前の患者さんが感染を持っていそうか、周辺状況の判断が極めて大事ですが、偉い人にはそれが分からんのですよ。足なんて飾りです。ガンダム世代だ。マスクにしろ緊急事態宣言にしろ、必ず「状況判断」が大事。またダイヤモンド・プリンセス号に入った時の印象は、「上水道と下水道が混在していて、下水で汚染された水を美味しそうに人々が飲んでいるような感じ」だそうです。2021/07/27
hatayan
52
新型コロナウイルスの対策で感染症の専門家の立場から活発に発言を続ける著者が2020年10月時点での見通しを平易に解説。PCR検査やマスクが必ずしも絶対ではなく、置かれた状況をもとに是非を判断したいと繰り返し強調。ワクチンは複数の国で臨床研究が進むもまだ決定打はなし。巻末に「8割おじさん」の西浦博教授との対談を収録。政府の「GoToキャンペーン」は感染防止の立場からはNGだが、経済や景気への影響も考慮しながら最適な方向を決める高度に専門的なテーマで、専門家の間でも激しい葛藤があると生々しく語っています。2020/11/18
こも 零細企業営業
39
状況によって対応は変わる。対応出来る容量もあるから無秩序な検査はダメか。そして昔から現場に全てを押し付け、足を引っ張る文化が日本にはあるらしい。無くならないのかな?2020/10/24
雲をみるひと
28
昨年秋に出版されたそれまでの新型コロナの傾向やコロナ対策に触れられた本。マスクやPCRなど様々なトピックが盛り込まれているが、巻末に収録されている対談が特によかった。盛んにコロナ患者拡大の可能性を発信していた医師も新型コロナの致死率など危険性をキチンと評価している点が興味深かった。変異株が出現したこともあり、未だに恐怖を煽るだけの報道が多い新型コロナだが、死亡率や症状などの必要情報を細かくフェアに情報発信して欲しいと思う。2021/05/14
おおにし
20
巻末の西浦先生との対談がよかった。20年7月の時点の対談であるが、第3波の到来を予想した的確な提言がなされていると思った。政府が専門家の意見をきかず第3波を拡大させてしまったことは誠に残念。こういう専門家の対談をじっくり放送してくれるTV番組があればいいのに。2021/02/01