内容説明
理外の畜生を狂気で制すダークヒーロー譚!
狂気と理性の男、狩野京児。狂気を貪り、理性で猛る――己の命さえもゲームの天秤にかけ、獣のようにヴァンパイアを狩る日々にいた。
その夜も「千里眼」と呼ばれるヴァンパイアを嬲り、断末魔の叫びを堪能していたが……死に際の千里眼が「数日のうちに、お前は大切なものを失う」と京児へ予言する。
――翌日、京児に潜入調査の命令が下される。ユーベン側のヴァンパイア「鯨井慧」との共同調査だった。
慧が語るには「とあるもの」が《ダークウェブ》を通じて、販売されているらしい。銃器、ドラッグ、殺人依頼、食肉用人間の手足に紛れ……「遺灰物(クレメイン)」が取引されていた。流通元を探るため、廃墟になった街へ向かう京児と慧。
そこで待ち受けていたのは獰猛で狡猾なヴァンパイア――ではなく、人間の悪意が蔓延るブラックマーケット。シリアルキラー同士を殺し合わせる「殺人闘技場(ファイト・クラブ)」だった!
法では裁けぬ畜生を、狂気を狂気で、悪を悪で制するダークヒーロー活劇!
※「ガ報」付き!
※この作品は底本と同じクオリティのカラーイラスト、モノクロの挿絵イラストが収録されています。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ささやか@ケチャップマン
3
狩野京児というキャラクタにスポットをあてた血と灰の女王という漫画のノベライズ。虐殺と闘争を好み、弟の死に何も感じることないサイコパスでありながら、理性をもってその狂気をコントロールし、それでも人間的であり続ける狩野京児は、原作においては本当に細かいコマや表情でその人間性を表現しているので、文章だけではどうしても表現が難しい部分があると言わざるを得ないが、読んでいてイメージから大きく外れることはなく、かなり頑張ってくれていたと思う(文章の練度としては好みから外れる部分があったが)。2021/01/11
ふろず@烏龍茶が美味しい
1
狩野京児が好きなので購入。 読み終わってから原作を良く見ると、慧くんがカメオ出演していた。クセのある外見なのに活躍しないんだ?と思ったら小説のキャラだった。 戦闘狂のゲスクズサイコ野郎でありながら、冷徹な理性と高い知性をもって仲間と協力ができる、面倒見の良い狩野京児大好き。お近付きには絶対なりたくないが。 今は亡き弟さんとの短編もあり、ファンは読んで損しない内容。2023/01/09
木倉兵馬
0
漫画原作のノベライズ。そのためか、書店ではライトノベルやネット出身系小説の棚ではなく漫画の棚に置いていて探すのに手間取りました。まだ原作の方はチェックしていないので十二分には楽しめていないのですが、それでも読んでよかったと思えました。やはり倫理感の壊れた場所には倫理観を超えた人格が必要ですね……帯の煽り文句もむべなるかな。原作漫画の方も読んでみたいと思います。2020/03/15