内容説明
闘いを終わらせる、チャイムがなる――。
フリドスキャルブを強襲した氷室奉先に出くわした白夜たち。
戦闘を余儀なくされた彼らは、最強の称号・玄翁神社祭司たる氷室の驚異を知ることとなる。
死にたがる氷室。
最強の男は、その暴力をより強い力で否定されてたがっていた。
終わり方を探して、終わりに向けて生きていた。
かつて神座市御三家をも脅かしたという純粋な暴力。
そして、それを再び祭り上げようとする存在。
白夜たちは、それらの思惑に翻弄されながら、再び氷室の前に立つ。
終わりのチャイムを鳴らす、無明拳の静かな拳撃が放たれる――。
※「ガ報」付き!
※この作品は底本と同じクオリティのカラーイラスト、モノクロの挿絵イラストが収録されています。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
のれん
14
再読。 奉先は今作の武侠精神、つまりは終わりを求める疲れた、しかし義侠心の象徴みたいな男だ。そんな男もまた過去を追い求めてる。彼を止められる満莉奈といい、筧にケツ叩いてやれる鳴海といい今作の女連中の湿度は丁度いい乾きがあってやっぱ良いなぁ。 てかこの時で鳴海と満莉奈は会ってたんだな。まぁお互い眼中になかったけど(笑)2022/10/22
ささやか@ケチャップマン
13
いつの間に新刊が発売されていてしかも続くという驚き。続くのかよ。明らかにライトノベルの主流から外れる作風だから嬉しい誤算だ。とりあえず、初期作と比べると鬱屈や暴力に加えて、ユーモアを混ぜるだけの幅が出てきてるんじゃないかなあと感じる。今回なんて、明らかにカタギではないデフが、作中最も良識人であるかのように、主人公らに正座させて、渾々と風紀を説くシーンは、普通に面白かった。2019/12/13
のれん
13
義侠とは即ち主役になること。世界の誰よりも輝く最終回を迎える者のこと。現代人というより大人になりきれない感情を抱えた奴らがこの作品の主役だ。 雰囲気は義侠ものだけど、主役たちのやりきれない焦燥感と、それでも魂を込める決意は舞台が現代だからこそ。 結局、赤兎は満理菜の双子の兄で吹奏楽部の娘が姉なんだろうか。奉先は知る必要ないから本編にも出さない所は潔いというか憎らしいというか。 あと3巻でもMVPは鳴海さん。可愛い可愛くて、マジ筧くんを主人公たらしめているの彼女の元カレってことだけだね。爆発してくれ。2019/11/21
真白優樹
9
フリスドキャルブを襲撃した氷室奉先と白夜達が遭遇し、最強の力を持つ彼を相手に死闘を繰り広げる今巻。―――終末を望む死神へ繰り出すは、静かなる死神の腕。最後の一瞬まで輝き、最高の終末を。そう望む氷室とのどこかやりきれぬ、どこか幼く歪んだ大人達が激闘を繰り広げる今巻。何処かやり切れぬ、だけど今この瞬間、燃えられる理由があるからこそ全力を尽くせる。そんな昏くどこか誘い込むように燃える暴力の熱さがある巻であり、さらに魅力が高まる巻である。死闘の先、新たな波乱の芽はどんな花を咲かすのか。 次巻も須らく期待である。2019/11/21
一輪
8
前半:前回登場した氷室奉先が驚異的な身体能力を発揮してくれる パワーと物理防御と喧嘩の経験が飛び抜けるとこんなことが出来てしまうのか!? 中盤:一体何を見せられているんだ 終盤:これまでも含めて奉先の行き場のないフラストレーション、そしてやるせなさが明かされる 今回は奉先という滅茶苦茶な相手を前にして本作の主人公である筧白夜の覚醒回とでも言えば良いだろうか しかし、最後の最後に血の気が引くような置き土産を仕込まれた 筧家で起こった出来事の真相、そして白夜の向かう先に何があるのか気になってしまう2020/04/02