文春e-book<br> もう「はい」としか言えない

個数:1
紙書籍版価格
¥1,595
  • 電子書籍
  • Reader

文春e-book
もう「はい」としか言えない

  • 著者名:松尾スズキ
  • 価格 ¥1,324(本体¥1,204)
  • 文藝春秋(2018/06発売)
  • ポイント 12pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784163908588

ファイル: /

内容説明

浮気がばれて、パリへ逃げた。そこに悪夢が待っていた。
もう笑うしかない……松尾スズキ、衝撃の最新小説!

二年間の浮気が、キレイにばれた。別れたくない。二度目の結婚で、孤独な生活はこりごりだ。
妻の黒いヒールスリッパの鼻先に、海馬五郎は土下座するしかなかった……。
無条件降伏として、仕事場の解約と、毎日のセックスを、妻から宣言された。
性に淡白な海馬五郎は、追い詰められて、死すら望むものの、死ねるはずもなく、がんじがらめの日々を過ごしている。

半年ほど息苦しい生活を味わった頃、海馬五郎は、フランスのエドルアール・クレスト賞の受賞を知らされる。
「世界を代表する5人の自由人のための賞……?」
胡散臭いものだが、パリへの旅費と一週間の滞在費を支給してくれるらしい。
飛行機が嫌いで、外国人が怖い海馬五郎も、一週間は妻とのセックスを休めるというので、その誘いにのった。
これが悪夢の旅になったのである。

表題作『もう「はい」としか言えない』の他、海馬五郎の恥ずかしい少年時代をヴィヴィッドに描いた『神様ノイローゼ』をカップリング。
天才・松尾スズキのシュールでエンタテイメント精神にあふれる、まったく新しい小説世界へようこそ!


〈著者プロフィール〉
一九六二年、福岡県出身。
一九八八年に「大人計画」を旗揚げする。主宰として多数の作・演出・出演を務めるほか、エッセイや小説の執筆、映画監督など、その活躍は多岐にわたる。
一九九七年、岸田國士戯曲賞受賞。二〇〇一年、ゴールデン・アロー賞演劇賞受賞。二〇〇六年、小説『クワイエットルームにようこそ』が芥川賞にノミネート。二〇〇八年、映画『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』の脚本で、日本アカデミー賞最優秀脚本賞受賞。二〇一〇年、小説『老人賭博』が芥川賞にノミネート。
二〇一八年、「大人計画」は三十周年を迎えた。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

starbro

226
第159回 芥川賞受賞作&候補作3作目(3/5)です。松尾 スズキは、初読です。純文学というよりも、私小説的コメディ、脚本家だけあって、文章は上手い。オススメは、芥川賞候補作で表題作の『もう「はい」としか言えない』です。芥川賞としては初々しさに欠けるのかも知れません。2018/08/21

いつでも母さん

186
そういう仕組みの『もう「はい」としか言えない』だったのね。率直に面白かったです。でも本当にこんな賞があったら怖い。『神様ノイローゼ』も面白かった。笑いました。水泳教室のクラス分け・・海馬くんの気持ちがちょっとだけ理解できる。松尾スズキさん不思議な名前の方だなぁと初めて観た時に思いました(勿論TVでしたが)これは・・多分本当にあったことも含まれているはず。(どこがとは言わないが・・)2018/08/02

れみ

118
妻に浮気がばれたせいで超絶束縛生活を送るなか、ある日舞い込んだ「自由人のための賞」受賞の知らせに飛びついた海馬五郎のパリ行きのお話(表題作)。何かとんでもないことが起こりそうだぞ…という予感だけはビシビシ伝わってきたけど、本当になんだかすごいことになってた…というか予想外に重いテーマ。ほか、海馬五郎の幼少期を描いた「神様ノイローゼ」。うーむ、これは…なんと言ったらよいものか…。「少年水死体事件」ってドキッとする表現で、その顛末を知ってびっくりだけど、これはこれでかなり怖い。2019/02/05

なゆ

96
浮気がばれ妻にがんじがらめにされている海馬五郎。てっきり妻に対して「はい」としか言わせてもらえないのかと。たまたま胡散臭い賞を受賞し、妻からの制裁から一週間でも逃れたくてパリでの受賞式へと旅立つ。そこに待ち受けるワケのわからない状況と、恐るべきワークショップとは!一体どんな結末かとザワザワしたが、通訳のマイペース聖くんが、いい感じに脱力させてくれたー。併録の「神様ノイローゼ」は海馬五郎の子どもの頃の話だが、どうにも松尾スズキ氏御自身の話に思えて仕方がない。“少年水死体事件”、な。海馬の恍惚が…悲しい(笑)2018/10/03

とろとろ

71
最初からハチャメチャな話で、浮気がバレて毎日セックスしなければならないことと、○○○賞でパリに行くということから始まる。結局、出掛けた先のパリの下町の話やショーの話だとか取り留めも無い(馬鹿馬鹿しい? )話が延々と続き、最後は賞を出した本人の自殺現場まで同行させられるというオチ。芥川賞候補2回目ということらしいが著者は脚本が本業か。脚本家が片手間に小説を書くというのはよくあるパターンだけれど、いずれも自分には合わなかったし、今回も全く何の意味かわからなかった。誰かが面白がって芥川賞に推薦したのかしら。2018/11/09

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/12857874
  • ご注意事項