文春e-book<br> ディレイ・エフェクト

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文春e-book
ディレイ・エフェクト

  • 著者名:宮内悠介
  • 価格 ¥1,324(本体¥1,204)
  • 文藝春秋(2018/02発売)
  • 3月の締めくくり!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~3/31)
  • ポイント 360pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784163908205

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内容説明

いま最も注目されている宮内悠介が、時の流れをこえて、この世界の真実に迫る!
芥川賞候補作品。

いまの東京に重なって、あの戦争が見えてしまう――。
茶の間と重なりあったリビングの、ソファと重なりあった半透明のちゃぶ台に、曾祖父がいた。
その家には、まだ少女だった祖母もいる。

昭和十九年の戦時下が、2019年の日常と重なっているのだ。
大混乱に陥った東京で、静かに暮らしている主人公に、昭和二十年三月十日の下町空襲が迫っている。
少女のおかあさんである曾祖母は、もうすぐ焼け死んでしまうのだ。
わたしたちは幻の吹雪に包まれたオフィスで仕事をしながら、落ち着かない心持ちで、そのときを待っている……。

表題作「ディレイ・エフェクト」の他、「空蝉」と「阿呆神社」を収録した驚愕の短篇集。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

starbro

209
第158回芥川賞受賞作・候補作、4作目(4/5)、宮内 悠介は、新作中心に読んでいる作家です。表題作は、初めてのノミネートなら、芥川賞を受賞出来たかも知れませんが、ノミネート貧乏、島田雅彦状態です。もしかしたら結局、芥川賞も直木賞も受賞出来ないのではないでしょうか?オススメは『空蝉』です。3月の第一作目でした。2018/03/01

ケンイチミズバ

138
シリアの空爆を顔をしかめながらも安心して見ている日常がある。同じ目に遭った祖先の様子を実際に見ることができたら人はどうなるのだろう。サイパン陥落、空襲前に疎開するか、娘に教科書にない戦争の真実を教える機会にするのか、リビングでの会話だ。妻と意見が対立し口論に、娘はスマホで音楽を聴いてる。幽霊のように現代に戦時中の人々とその暮らしが出現する。おかげで冷めていた夫婦が元に戻るだけというなんともシュールな。娘の気持ちをきちんと聞くべきだった、人事異動の悩みを黙ってないで相談すべきだった。疎開した妻に手紙を書く。2018/03/20

ダイ@2019.11.2~一時休止

103
芥川賞候補の表題作を含む短編集。ただ表題作よりも阿呆神社の方が自分的には好み。2018/03/11

モルク

102
表題作他2編。現代の東京に1944年大戦真っ最中の東京が重なって見えるディレイエフェクト。半透明のちゃぶ台に曾祖父と曾祖母そして祖母がいる。話しかけても彼らは答えても反応もしてくれない。不思議な現象と主人公夫婦の危機が交差する。昔銭湯だったところにある創業◎年をうたう菓子屋が?というくだりがあるが、ということは…お菓子を買いに行くと銭湯で入浴中の人がうっすら見えるということ?えへへ、ちょっと恥ずかしい。あっ本筋からずれてしまった。2020/10/10

ひらちゃん

66
今、目の前に戦時中の姿が映し出されたら…。子供達はどう感じるでしょうね。自分自身だって衝撃を受けるはず。平和ボケした私達には警鐘を鳴らす絶好の機会かも。現実も過去もやり直せないけれど、見つめ直す余地は与えられると思います。表題作は面白く読めたけど後の2作は合いませんでした。2018/03/11

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