ガガガ文庫<br> 忘却のアイズオルガン

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ガガガ文庫
忘却のアイズオルガン

  • ISBN:9784094516944

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内容説明

悪魔を喰らう魔術師と哀れな屍人形の旅。

悪魔が人類の隣人として振る舞っていた時代。魔術師のダヤンと屍人形のアリアは、悪魔退治を生業としながら、旅を続けていた。

ダヤンの目的はただ一つ。己が手をかけ、屍人形にしてしまったアリアを生き返らせること。そのために彼は、生と死を支配する悪魔・ガーガヴルドと契約を交わしたのだ。人理を外れた望みを叶えるには、それ相応の代償を払わなければならない。絶対的な契約の元、かつての記憶を失ったアリアに真実を伝えられず、悪魔退治を担わせなければならない日々。ダヤンは本心を隠して、あくまでもアリアを金稼ぎの道具として扱い、露悪的に振る舞い続ける。

旅の中で訪れた新たな街。その街の住人はどことなく生気を失ったような様子で、病院を訪れる患者が後を絶たないらしい。そして、その病院に勤める医師の家で、瀕死の重傷を負った娘が奇跡的に回復し、その代わりに息子が死んでしまったという奇妙な噂が囁かれていた。そこに悪魔の匂いをかぎつけた二人は、さっそく調査を開始するのだが……。

悪魔を喰らう魔術師と哀れな屍人形の旅路。――これなるは忘却の果てに垣間見る、魂と契約の物語。

※「ガ報」付き!

※ガガガ10周年電子特典!シリーズ既刊すべてのカバーイラスト付き!

※この作品は底本と同じクオリティのカラーイラスト、モノクロの挿絵イラストが収録されています。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ひめありす@灯れ松明の火

35
宮野さんらしく壊れてぶっ飛んだ世界観でした。ずっと少女小説を書いてきて今回初めて少年向けライトノベルを書くので、どんな物を書くのかな、とはらはらしていたら、あっさり平常営業で逆にびっくりでした。いかにもこの方らしい「LOVE」の描き方でした。タイトルの「忘却の」ってそういう意味か!生前の記憶を失った死体の少女と青年の物語。好きなのに、優しくしてはいけない青年の葛藤と、それでも滲む甘い言葉。一番辛い事は全部自分で引き受けて。アリアの心が忘れてしまっても、体が覚えている記憶があるのでしょうか。とてもいじらしい2017/10/09

ツバサ

15
こういうペアがいがみ合ってても息が合うタッグものとしてベタでも好きです。主人公と屍ヒロインが非常になりきれない青さを持っていて良し。2017/08/21

サキイカスルメ

15
アリアのインパクトがでかいけど、ダヤンの狂気っぷりもなかなかで、つまり大好きなやつでした。誰よりも大切な少女を生き返らせるために悪魔喰いをしているダヤンと、少女本人でありながら記憶喪失でダヤンを憎む屍人形アリアのある村でのお話。少女小説の名手宮野さんが、ガガガ文庫で新作をということだったので、どうなるのかと恐々読んでみたらヒーロー主人公+ダーク成分多めのいつもの宮野さんでした。好きです。超美少女で複雑な気持ちを持つアリアと、狂気的に彼女を愛し抜いてるダヤンという組み合わせが、もうね。2017/08/24

真白優樹

12
悪魔が人間の隣にいた時代、自らが愛した人を手にかけた魔術師の青年が、生ける屍と化した愛する少女と共に悪魔を狩る物語。―――忘れた記憶を探し、取り戻す為に悪魔を狩る。悪魔達は彼等なりに、人間達を嘲笑しながらも心から愛し、青年は行き場のない愛を抱え、愛を向けられたら終わりという茨の道を悪としてゆく。誰もが歪み、狂える感情を抱える中、その願いは悪魔も認める程に純粋で美しい。酷く暗い世界の中で純粋な願いという光が光るこの物語、師匠を追い向かう北の土地で出会う悪魔とは。時間はいつまであるのか。 次巻も楽しみである。2017/08/19

リク@ぼっち党員

11
誰にも感謝されることのない、ひたすらに自己満足な物語。壊れた価値観を持つダヤンが愛する者の温もりをもう一度味わうためだけに悪魔と契約し旅を続ける。他人を愛するだけの良識や優しくする良心を持ちながらこれだけ狂ってるダヤンの歪さが印象的。アリアのためではなくて自分のためと自覚してるところがよかった。二人の旅の結末に幸せになれる人がいるのか、期待。2017/08/23

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