内容説明
庭の池には人魚姫が住み、鯉のぼりが虚空を翔ける。そして店子は人間だけじゃなかった。そんなメゾンの大家になった春樹を待っていたのは、あやかしトラブルの連続で……。メゾンの安寧のため大家・春樹は奮闘する!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
佐島楓
58
あやかしが住むメゾンの大家となる大学生の春樹。住民たちに振り回され、ときにコミカルな、ときに重大な事件に巻き込まれ、彼らからぬくもりをもらう。この作品でデビューとのこと、あたたかな筆致が心地よくて読んでよかったです。2017/06/18
アン
52
昔から不思議なものが見える春樹。同じく不思議な力を持つ大叔父のこれまた不思議な結婚を機に彼の古いメゾンの大家代理を引き受けた。大叔父のメゾンだけに、そこの住人も普通ではないし、色々と不思議な事も起こり振り回される日々。重大事件や悲しい事件もアリで大家家業も大変だけど、少しずつ距離が縮まってくる住人たちとのやり取りと心温まる話にホッコリしました。作家さんデビュー作とは思えないほど面白かった。不思議で個性豊かな住人たちの話ももっと読みたいので続編希望です!2017/08/19
スズ
46
叔父が山神の娘と結婚して新婚旅行に行っている間、彼の所有するアパートの臨時大家を任された大学生の春樹が、変わった人ばかりの店子や、アパートを訪れる不思議な存在達が関わる様々な事件に遭遇していく物語。掛け軸から飛び出して嫁探しをする鳥や、決してマスクを外そうとしない中学生の少女、文字を食べ尽くす「何か」等、霊感を持つが故に霊的な存在に苦しめられたり苦しむ人を放っておけなかったりと、大変な大家生活でも必死に頑張る春樹が良く、自分を助けてくれた大家さんに好意を持ったものの、鈍感すぎる春樹に悩むまどかも可愛かった2018/03/06
はつばあば
34
ちょっと「妖怪アパート・・」と同列にするにはおこがましいかと。ですがこの方1930年生まれでこの本を書かれているって凄いです。香月 日輪さんは1960年生まれですもの。ただこの宮田さんも香月 日輪さんも声優をされてたってことが凄いなぁと。本のレビューよりこの二人の書かれた本が似通っているのと声優であったっていうのが私には💮でした。これから今市子さんの百鬼夜行抄を覗いてみたいと思います。2022/08/20
テッシー
8
著者デビュー作ですが、デビュー作とは思えないほどの筆致と温かい物語でスムーズに読み進めることが出来ました。最後はホロッとして、心地よい読後感でした。個性的な店子達や登場人物(?)もキャラクターが映えていて良かったです。2017/06/19