内容説明
『夜桜荘にいらっしゃい』――高校生の春馬のもとに届いた一通の手紙。訪れたそのアパートで、春馬は亡くなった姉の葉子と再会する。けれど正直でまっすぐだった彼女は、死後の裁判で嘘つきの罪に問われていて……?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
assam2005
30
読み進めるにつれ、ふと辻村深月さんの『ツナグ』を思い出した。亡くなった身内と過ごせる七日間、その七日間をどのように過ごすのか。亡くなった家族と少しでも長く一緒にいたいと思う者、亡くなった家族の意思を引き継ぐ者と様々。でも、それは見送る者たちが伝えられることだけではなく、旅立つ者たちが伝えられることでもある。「自分に出来ることは何か」を諦めずに考えることが大事。その答えはきっと皆同じでなくていいと思う。2018/07/27
そのぼん
26
亡くなったはずの姉からの手紙で『夜桜荘』に行くことになった主人公・渡瀬春馬。『夜桜荘』で亡くなったはずの姉と再会し、彼女が『嘘をついた罪』で地獄行きになることを阻止するために奔走する日々が始まって・・・。と書くと怖そうですが、優しい雰囲気の作品だったので、最後まで安心して読めました。幽霊となった姉も含め、登場人物が好い人ばかりだったので、そこもホッとしました。2017/10/15
ニゴディー
12
発想は悪くない。 登場人物もそれなりに魅力を感じる。 ただ、全体的に緩く、話自体が面白くない。 各話が最後へ繋がる必然性がなさすぎる。 全体を上手くつなげて色々と明らかになるという形にする必要があったのでは。2021/01/11
しぇん
11
良くも悪くも予想通りの優しい物語。意外性などはありませんが、疲れて癒されたい時には良いかも?です。個人的には兄が一番良いキャラしてました。2017/06/30
サキイカスルメ
11
読み終わった後タイトルを見て、切ないけれど温かい気持ちに。嘘をついて地獄に落とされるという亡くなった姉を救うべく、閻魔帳を作ることになった春馬のお話。お姉さんの前に、他の人や猫達の閻魔帳の作成もするのですが、もう死んでいる状態でのスタートなので、やっぱり悲しい。けれど死んでしまった側の罪を調べることによって、真実や想いもわかっていき、なんだか救われたような気持になりました。母娘、飼い主と猫、兄妹、そして姉弟、家族の絆を強く感じました。お茶目な料理人鬼薄録や幼女鬼蒼命もよかったです。葵は、恋愛方面展開に期待2017/04/25