ガガガ文庫<br> 妖姫のおとむらい

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ガガガ文庫
妖姫のおとむらい

  • ISBN:9784094516418

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内容説明

幻想グルメをご堪能あれ。

ある日、比良坂半は旅先で奇妙な空間に迷いこむ。
そこで妖の少女と出会い、未知なる食の存在を知る。

それからというもの、どうにも変な場所、変な空間に迷いこむ癖ができてしまったようで、以降たびたびそういった場所や者や物と遭遇してしまう。
それは旅愁とか郷愁に訴えかける、ちょっと古い時代の景色のように見えて、正確にはそうではない。
例えば古書に語られるような妖怪と出会ったり、一見猫の額程度の藪の中で、うろんな器物に迷わされたり、あるいは山奥の奇妙な村落で、幻の沼地を巡る儀式に巻きこまれたり──。
妖の少女、妖姫はそんな青年と行を共にして、彼を救ったり救わなかったり。
そうして青年は、時々発作的に訳のわからない食欲を妖の少女に催したりもして──。

第一話:「風鈴ライチの音色」
第二話:「焼き立て琥珀パンの匂い」
第三話:「ツグミ貝の杯の触り心地」
第四話:「ホロホロ肉の歯ごたえ」

幻想的な旅と、奇妙な味覚の数々。
そして、二人の旅はゆるゆると、続く――。

レイルソフト所属の実力派ライター希氏がおくる、幻想奇譚に乞うご期待!

※この作品は底本と同じクオリティのカラーイラスト、モノクロの挿絵イラストが収録されています。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

まりも

44
貧乏旅をする学生・半が旅先で迷い込んだ奇妙な空間。そこで出会った妖の姫と共に、奇妙な食の旅をすることになる話。うん、これは良い。グルメと妖という不思議な組み合わせと、物語に漂う幻想的な雰囲気が絶妙にマッチしていて、なんとも独特な読み味のする作品になっていました。「おとむらい」という独自の設定、そして癖のある登場人物たちや、懐かしさを感じさせる描写の数々と、色んな味を楽しめるのがこの作品の最大の持ち味ですね。これで文章が読みやすかったら文句なしでした。最近流行りのグルメラノベをこういう形で出すとは流石やで。2016/11/23

えーた

31
故あって悪食の青年が、放浪先で出会った美しい少女の姿をした妖姫、笠縫によってこの世ならぬ妖の世界をさまよいながら、怪しくも絶品なる珍味を味わい尽くす、という一風変わった物語。泉鏡花風と言ったらいいのか、ライトノベルとしては異例の古色蒼然とした流麗な雅文体で書かれており、それがこの幻想的でレトロな作品の世界観を十分に引き立てている。食事シーンの描写は涙がでるほど美味しそうだし、飯をくすねた妖怪を、月明かりの森の中、魔法の車を駆って追っかけ回す場面は和風ハリー・ポッターといった感じで、読んでいてワクワクした。2017/02/25

マッキー

21
幻想的でグルメ小説的な要素も含まれている。あまり展開に驚きはないがラノベとしては出来がいい。妖の言葉遣いにもセンスを感じる。2017/02/07

サケ太

20
うつくしいことばで綴られる、妖しい世界。奇病により各地を放浪する大学生比良坂半。彼が出逢ったのはあまりにも食欲をそそる少女、笠縫。各地で出逢う怪異と美食。誘惑や危機。幻想的で、想像をかきたてられる文章。酒が呑みてぇ。肉が食いてぇ。不思議な世界へ没入出来る。気になっていたライターさんの作品。雰囲気が超好き。続巻が出そうなので楽しみ。2016/12/31

サキイカスルメ

15
まつ璃姉が気になりすぎます。一か所に留まると段々食べ物の味が無くなっていく不思議な性質を持つ半が、ある時妖の笠縫と出会い今までに無い強い食欲を覚えて食べさせてくれと迫るお話。独特の語りなので、慣れるまで少し読むのが大変でしたが、まつ璃姉が出てきてから面白く読めました。だだ甘やかすまつ璃姉と、まつ璃姉がいるといつも以上にダメダメな半が好きですね。最後のヤンデレ……?な感じが気になります。玉串も憎めない妖怪で、よかったです。2016/12/07

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