意識はいつ生まれるのか 脳の謎に挑む統合情報理論

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意識はいつ生まれるのか 脳の謎に挑む統合情報理論

  • ISBN:9784750514505

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内容説明

意識の謎を解明するトノーニの「統合情報理論」を紹介。
極上のサイエンス・エンターテインメント。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

113
星野さんのコミック「レインマン」を読んでいて脳の話について統合情報理論というものがどのようにかかわっているのかを知りたくなり読んでみました。意識論というとどちらかというと哲学的な観点のものが多いように感じましたが、これはサイエンスの領域で、人間の脳とコンピュータについての違いの分析から始めます。最初の方に出てくるゾンビについての分析が楽しめました。哲学的ゾンビ、デジタル・ゾンビ、頭蓋骨の中のゾンビの分析です。2017/12/28

まーくん

100
意識高い系の人とはあまり関わらんように生きてきたが、”意識”に興味がないわけではない。「自分はどうして自分なのか?」ということは常々気になっている。本著は生理学の立場から謎に迫る。意識は大脳の視床ー皮質系に神経細胞のネットワークとして存在する。それが無数の可能性の選択肢に支えられ、情報の統合により単一のものとして感じられる状態を創り出している。”意識を生み出す基盤は、おびただしい数の異なる状態を区別できる、統合された存在。ある身体システムが情報を統合できるなら、そのシステムには意識がある。”と結論する。2019/09/26

パフちゃん@かのん変更

81
距離や重心を考えなくても歩けたり、弾けるようになったピアノ曲は意識しなくても指が勝手に弾いてくれたりするのは小脳の働き。小脳には意識がない。深く眠っていたり麻酔をかけて意識がない時も脳の解剖学的構造には変化がない。TMS脳波計で電気反応の広がりと複雑さをミリ秒単位で計測して調べる。夢を見ないで眠っているとき、カリウムの流れが変わり情報の統合が行われなくなり意識が消える。ロックトイン症候群では体が完全に麻痺しているが意識はしっかりとある。TMSで昏睡から覚めつつある脳の状態を把握できる。まだまだ難しい。2016/05/17

明智紫苑

55
私は昔、ある清掃会社で働いていた。それで、北大医学部の解剖室の掃除という仕事があったのだが、私は脳のホルマリン漬けに対して「畏怖」と呼ぶべき感覚があった。スプラッター映画的な気持ち悪さだけではない、「畏怖」。脳の提供者は、かつては一人の人間として生きていた。生きた人間の意識を宿している(いた)もの。それゆえの「畏怖」だ。2015/09/19

ころこ

42
論点は「心脳問題」のようです。5章を蝶番にして問いと答えを対照にしている構成と、日常的な言葉を用いていることは好感が持てます。しかし、何が回答として提示されているのか正直良く分かりませんでした。外的で科学的な認識と測定があったとして、その外的なものが人間の内的に生じる「意識」と呼ばれるものであることとの間を蝶番でつないでほしいというのが「心脳問題」のはずですが…恐らく本書は「意識」とはという問いを取り違えています。(こちらが取り違えているのかも知れませんが、とすると「心脳問題」でも無いことになります)2021/05/07

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