ガガガ文庫<br> ふあゆ

個数:1
紙書籍版価格
¥652
  • 電子書籍
  • Reader

ガガガ文庫
ふあゆ

  • ISBN:9784094516135

ファイル: /

内容説明

本当の自分を探す、新時代の黄昏怪異譚。

心因性相貌誤認症――
他人の顔を誤認識してしまう病を抱えた少年・龍胆ツクシ。曖昧な世界を生きる彼だが、犬頭の祖父、ガゼル頭の幼馴染、絵画頭のクラス委員長、貝類頭の後輩に囲まれながら、平和な日々を送っていた。

ひょんなことから、ツクシは連続猟奇殺人事件の現場を目撃してしまう。そこに佇んでいたのは、ハシビロコウ頭の怪人。もちろん警察に通報するのだが、彼の証言が信用されるはずがなかった。自身の役立たずぶりを改めて実感しながらも、彼は「自分にできることはなにか」を考え始める。

そんなとき、夕焼け色をした怪異の少女が目の前に現れる。ツクシが久しぶりに認識した自分以外の顔は、記憶の中のとある少女と瓜二つのものだった。奇妙に思いつつも、懐かしいその顔に、彼はつい気を許してしまう。

「ジブンタチはジブンになりたいのー、なのでジブンを教えてください!」

本当の自分を探すという怪異の少女との出会いをきっかけに、彼の世界は徐々に変化していく――。

ゲスト審査員に渡 航を迎えた、第10回小学館ライトノベル大賞・優秀賞受賞作。気鋭のクリエイター・しづがイラストを担当。
自我と認識の問題を巡る、新時代の黄昏怪異譚がここに。

※この作品は底本と同じクオリティのカラーイラスト、モノクロの挿絵イラストが収録されています。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

まりも

48
心因性相貌誤認症という奇病を持つ少年・竜胆ツクシが、連続猟奇殺人事件の現場を目撃してしまう事で動き出す怪奇物語。うーむ、これは何とも新人さんらしい作品だなぁ。設定は中々面白いし、ガガガ文庫らしさが出ていて非常に良かった。ただ色々なモノをごちゃ混ぜにしたせいで、折角の設定を上手く魅せれていないのが残念ですね。先の見えない奇妙な世界観は好きだけど、情景描写がしっかりしていないと全てがぼやけちゃうのよね。インパクトがあるようで無い。磨けば光る原石的な作家さんっぽいし、次回作に期待しましょうか。2016/05/19

ましゃ

39
主人公は過去に遭った交通事故の後遺症により『心因性相貌誤認症』という病気で、他人の顔がわからない状態。そんな彼がある日、猟奇連続殺人事件の犯人を目撃してしまう。主人公視点のため世界観は幻想的であり、カオスな状態。内容もなかりハードな展開です。そして何より本書の特徴は適当で独特な主人公の語り口にある。高田純次的な適当さやセリフ回しはとても好みだった。本書は未来どころか現在も曖昧で、他人が誰かもわからない自分は誰になれるのか、というものを不思議な主人公が見つけ出す、自我と認識の問題を巡る現代怪異譚です。2018/08/19

ヱロ本Gメン

32
ラノベ的カフカというかラノベ的安部公房みたいな。というより純文学系幻想小説テイストにハーレム要素をぶち込んだって感じ。いかにもガガガであり電撃文庫における「モーテ」的な感触。自意識高い系エンタメ主義なお笑いorタレント小説よりは遥かに面白いが新人らしい強引なパンチ力に欠ける。ともすれば希薄か濃密に偏りがちなこの手の小説で肝になるのはテンポや感性では無く、情景描写における個性だろう。そこが物足りなかったかな。何れにしても次回作が早く読みたくなる作家の登場。タクミ主人公が読みたいかな。2016/05/19

水無月冬弥

25
今慈ムジナ先生(@Imaji_Mujina)の #ラノベ ガガガらしいアクの強い作品でした。個性豊かすぎるキャラばかりだけど、唯一の良心?タクミの手の癖の意味をしったあとでは、タクミが一番いいキャラですね。人が死に過ぎるし、切なすぎる&無慈悲なエンドだけど、個人的には好きな作品です。 2016/06/09

ツバサ

23
心因性相貌誤認症の病気を持つ主人公を中心にして回る現代怪異譚。個人的には凄く面白かったが、人によってはまったく評価されないんだろうなぁー悲しい。 読んでてライトノベルでは無いジャンルだと思った、頭に過ぎったのは物語シリーズ。軽い話では無いけどドンドン話が進んでいって完全に虜になりました。是非続巻、又は新刊を。2016/05/30

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/10886607
  • ご注意事項