内容説明
子供の頃から偏屈にだけはなりたくない、と思って、頑張って生きてきた。しかしながら自分の前半生の道のりは偏屈への急な坂道を転げ落ちるがごとき道のりであった。はは。気楽や。偏屈の谷底でそれなりに楽しく暮らしていた私であるが……。人の、社会の、世間の輪の中を彷徨するパンク魂を綴る傑作エッセイ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ペグ
76
それなりに、というかこの一年、連続して町田さんの小説、エッセイを読み続け、今回のは、ある意味同じパターンを踏襲している〜とはいえ、やはりその着眼点の鋭さ、回転する思考につい笑ってしまい。何故こんなに好きなのかと自問。それは底辺の人間、人生の落伍者を基底にしながら、愚行、破錠、綻び、虚無を感じながらも情けなく笑い飛ばす。きっと人間はそれほど強くも無く、いっそ情け無い生き物なんだと。だからちょっとだけ頑張っちゃうのでした。2019/09/27
めしいらず
51
売れんが為に偏屈な性向を改めんとす。刻苦修行。空オーケストラ、歌舞劇、温泉。千葉の夢の国。妙に能動的だ。篭もっておれば魂は易きに流るる。石でも水でも下方に進むこれ必定。易々と屈託。書を捨てよ町に出よう。わきゃきゃ。何や意外と楽しいやないかー。愉快痛快。事前に念入りなる計画練った。練りに練った。が思わぬ方に転がるこれ人生。儘ならぬ中の思わぬ愉悦に気付けたらこれ幸い。でも救済された筈の魂は翌日には元通り。偏屈は易々とは改善できぬ。儘ならぬ生に抗うのか受け止めるのか。どちらにせよ茨の道のりだ。はは。いとをかし。2019/11/02
メタボン
29
☆☆☆★ 偏屈さゆえに、世の中のありきたりな光景に毒を吐くも、強迫観念のように、その中に飛び込んでいっては、ぐだぐだになってしまうというワンパターンが面白い。うくく。2021/04/26
ほほほ
24
町田康さんのエッセイ。「偏屈」を直すためのちまちました挑戦の数々を書いたもの。町田さんの本はどれも爆笑必至だけど、これは最強かも(笑)ずっと笑ってました(笑)世の中の「奇習」を批判し化けの皮剥ぎまくり。そして、化けの皮を剥ぐのはいいんだけど、剥いだからといってどうなるわけでもなく途方に暮れる結果にしか終わらない町田さん。数々の挑戦はすべて破れ、偏屈は治らず、薄く微笑してこの本も終わりました(笑)ほんと笑える。純文学とパンク好きな方におすすめです。2015/03/26
tatsuya
19
世界観に入り込めず挫折した。ブックオフに売ろうかな。ぐぬぬ。2015/12/29