角川スニーカー文庫<br> ベイビー、グッドモーニング

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角川スニーカー文庫
ベイビー、グッドモーニング

  • ISBN:9784041002148

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内容説明

「私は死神です。つい先ほど貴方は死ぬ予定でしたが、寿命を三日ほど延長させて頂きました」ミニスカートの死神の少女には月ごとに集める魂のノルマがあって……。『サクラダ』の河野裕が描く死神と濁った魂の物語。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

まりも

65
魂を集める死神の少女と四つの濁った魂の物語。すごく良いタイトルだなと思いました。透明感に溢れた文章と、物語に漂う切なくも美しい雰囲気が見事な調和をしていますね。死ぬことが約束された4人の魂の持ち主たちが、一人の死神の少女と出会い、生きる喜びを見つけ綺麗な魂となって次の生命へと繋がっていく姿は、とても美しくて命の繋がりはこうあって欲しいと心の底から思う事が出来ました。奇蹟が起きる事は決して無いけど、悲しさの後に温もりをくれる素敵な作品だったと思います。河野祐さんの描く物語はどれも綺麗だなぁ。2016/04/13

F

33
夏休みの病院、僕の前に現れた少女――ユニクロ製の白いTシャツとデニムのミニスカート姿の少女――は自分のことを「死神」と名乗り、月ごとのノルマの為に「誠に勝手ながら寿命を三日ほど延長させていただきました」と言った……。死神ともうすぐ寿命を終えようとしている人達を描く四篇の物語。/死神に出会った人達を主人公とした、生きることについての物語。死に瀕して、それでもやさしくあろう姿に涙した。どれも珠玉なのだが、4篇目の少女と老いたクラウンを描いた「クラウン、泣かないで」が好き。哀しくも温かいものが胸に残った。傑作。2012/03/31

(●▲●)とらうまん(*^◯^*)

28
【★★★★☆】サクラダリセットの作者がおくる、死神の少女と4つの魂の物語を描いた連作短編。サクラダのほうは前に1巻だけ読んだっきりなんですが、久々に著者の作品を手に取ってみました。 個人的にはジョニーのお話が一番好きで、ほかの短編も少しずつ最後の話に繋がっていく構成なのが見所です。エピローグまで読んだら、本作のタイトルに大いに納得。 静かな文体のなかに味わい深いメッセージ性……好みの相性がバッチリなら、絶対に大好きな作家さんになってるんだけどなぁ。2013/11/15

星野流人

26
1人の死神っぽくない死神が関わった、4つの濁った魂の物語を収録した短編集。どれも死を間近にした者たちによる、切なくて胸に迫る物語ばかり。けれどそれは“死”というもので誤魔化された哀しさではなくて、しっかりと物語の登場人物たちが紡ぎだした感動であると思う。 まだまだ続けられそうな造りではあったけれど、どうやら河野さん本人はもう続けるつもりは無い様子。けれどプロローグを含めてこの作品は一冊できれいにまとまっている短編集なので、確かにこれに続編をつけたら、蛇足になってしまうかもしれないなあ。2012/04/05

ちゃか

21
「当たり前だよ。意地のない作家に何の価値がある? 作家は、自分のスタイルに人生を賭けるものだ」。死が近い人々の前に現れる、少女の姿をした、死神。死に瀕した4人の物語であり、ある少女の物語であり、死神の物語である。そんな感じですかね。切なくて、優しくて。言葉がズキズキ胸に刺さる。あとがきで作者も言っていたけど、ここで終わるのが最も美しい物語。綺麗な、話だった。2012/04/05

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