集英社文庫<br> ホテルローヤル

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集英社文庫
ホテルローヤル

  • 著者名:桜木紫乃【著】
  • 価格 ¥550(本体¥500)
  • 集英社(2015/07発売)
  • ポイント 5pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784087453256

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内容説明

【第149回直木賞受賞作】北国の湿原を背にするラブホテル。生活に諦念や倦怠を感じる男と女は“非日常”を求めてその扉を開く――。恋人から投稿ヌード写真の撮影に誘われた女性事務員。貧乏寺の維持のために檀家たちと肌を重ねる住職の妻。アダルト玩具会社の社員とホテル経営者の娘。ささやかな昂揚の後、彼らは安らぎと寂しさを手に、部屋を出て行く。人生の一瞬の煌めきを鮮やかに描く全7編。

目次

シャッターチャンス
本日開店
えっち屋
バブルバス
せんせぇ
星を見ていた
ギフト

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

703
ラブホテル『ホテルローヤル』にまつわる短編集。文体は、私にはあまり合わなかったけれどそれぞれの作品に過去を憂い、今を直視できなかったり信じたくないことが起こったりしながら、周囲の人や家族との繋がりで主人公の人生がちょっとだけ良くなったりならなかったり、決断出来たりする様が実際にありそうな話だと思いました。2017/05/03

Yunemo

569
一編ごとの内容を読みこなせないまま。なんて救いのない人達の物語として、記されているんだろう。一つの建物(ラブホテル)を巡る関係者の生き方7つ、読み終えて、なんとなく人間の生き方の寂寞感がひしひしと。自分から手にする書物ではない筈なのに、文庫化されてつい、というのが実情。第三者的には、人間がそれぞれの生き方、それも自分で踏み出した人生ではないのに、いつのまにか自分の生き方として、全うせざるを得ない。でもそれしか無いんですよね。何だか、落ち込んだ気分になったまま読了。せんせぇ、一体どうしちゃたんです?2015/08/01

さてさて

552
『不思議なことに、「ホテルローヤル」を出版する直前に、実家のホテルは廃業しました。私のなかでようやくひとつケリがついたような気がします』とおっしゃる桜木さん。ラブホテルのリアルな現場を見てきた桜木さんが描く『ホテルローヤル』を過去に遡る物語。それは、時間軸を遡ったからこそ、逆にそのホテルの名前、そしてそこで何があったのかという記憶が読者の中に深く刻まれることになるのだと思います。そんな構成の妙が光る桜木さんの傑作。読後、最後から最初へと短編を遡りながら読み返してみたくなる、そんなとても印象的な作品でした。2021/01/30

しんごろ

511
ホテルローヤルに関わった人達の話なんですが、暗さこそあれ、重め感、息苦しさはそんなに感じませんが、切なさを強く感じました。人それぞれのいろいろある人生の中で、辛さ、寂しさがある中で、ちょっとした幸せ、優しさ、ぬくもり、そして愛があるんだよという気づきを与えてくれ学んだような作品でした(^^;)2017/05/31

ちょこまーぶる

460
様々な愛の形に対する大人な一冊だなと感心した本でした。決して明るい性を表現しているわけではないんですが、登場人物は自分の心に折り合いをつけながらそれぞれが、孤独の埋め合わせをするように性を利用していく姿が人間の本質を見ているように思いましたね。中でも「星を見ていた」は特に秀逸な作品だったと思います。ドロドロした性の表現ではないんですが、夫婦愛と同僚の人間愛に感銘し、人生に文句も言わず自分の生き方を認め一生懸命生きていたら、周りの人々がどんどん優しくなっていくという事に今更ながら強い感動を覚えましたね。2016/11/23

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