内容説明
未由って呼ばなくていいよ。だって私は--
長い夏休みが終わりに近づき、僕はアリッサと由衣をつれて美傘市に帰ってきた。しかし、一か月ぶりに訪れた友月家の屋敷に友月未由の姿はない。留守番役の九棚(くだな)香織さんには「九月になれば未由様は帰ってきます」と言うが、僕は胸騒ぎを感じる。ただ一つを選べない僕は、何一つ守れないのではないか――と。学園生活が再び開始された登校初日。「ほんと!? あたし、ケースケと同じ学校に通えるの!?」長い髪を黒いリボンで二つに括り、制服を身につけたアリッサがクラスに転校をしてきた。でも、やはり未由の座席は空席のまま――。その日の夕暮れ時、やっと出会えた屋敷の前での未由と再会。しかし、明らかにその様子がおかしい。「私はもう未由じゃない」と宣言する彼女。もうすぐ友月家当主、友月未永(みえい)になるのだと。返す言葉もない僕は、未由が立ち去るのを見送ることしかできなかった……。つい先月まで一緒に笑っていたのに、果たして未由に何が起こったのか!? 満月の夜、闇の中で“魔王”が告げる――「さだめは、千年前から決められていたこと」。
※この作品は底本と同じクオリティのカラーイラスト、モノクロの挿絵イラストが収録されています。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
カインズ
5
【二対一】友月さん強くなりすぎです、怖いです。反面、連大が小物に見えてしまったせいで、物語は、あまり楽しめなかった。冬上のツグミへの対応が人間臭さを感じられて良いですね。最初は、気に入らないキャラNo1だったのに、今は、かなり好きなキャラだ。まぁ、付き合いたくはないけれど。ラストの挿絵は、最高。2011/08/14
コリ
3
未由派だったけど、ここ最近のアリッサの可愛さが異常という事もあってダブルヒロイン派になります。アリッサが自分の気持ちに素直になって色々積極的になっていく所なんかニヤニヤが止まらなかったなぁ(笑)未由についても一区切りついて何より。今巻は啓介がちゃんとキメてくれました。色々と(笑)2010/11/07
あかなぎ
3
8巻まできましたが啓介、未由、アリッサの三人が強すぎ。3人そろったらほぼ敵なしのような気もします。三角関係なのにギスギスした感がなくて読んでてラブコメしてるな~って思えます。というかこの巻で一気に関係が進展してびっくりでしたけどね。2010/09/12
ウラー
2
冬上が死しんでなくて本当によかった。1巻ではただの異常な性格の持ち主というだけだったけど、今では物語に欠かせない存在です。ツグミに対する対応は彼女にしかできない役割だったといえるでしょう。/自分の気持ちに気づいた(?)アリッサはとてもかわいいのですが、未由派かな。/(p256)アリッサに支えてもらって空を飛びながら、未由を抱きかかえてキスをする啓介はマジ勇者だ。2014/09/26
晦夢
2
面白い。今回は啓介、未由、アリッサの3人の関係がかなり進んだ。未由はいつもながら、不幸な状況。そして、陽名ちゃんの出番の少なさに…。エノクが出てきて、物語も加速してくるな。2013/07/16