講談社学術文庫<br> 宗教哲学入門

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講談社学術文庫
宗教哲学入門

  • 著者名:量義治【著】
  • 価格 ¥1,100(本体¥1,000)
  • 講談社(2015/01発売)
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  • ISBN:9784061598751

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内容説明

宗教とは何か。その役割はどこにあるのだろうか。人は生あるかぎり「苦」を背負って歩む。物質的豊かさにもかかわらず、「退屈」と「不安」に苛まれる。手応えのない「空虚」な生に悩む。この現代的「苦」からの救済の道を、キリスト教、仏教、イスラム教という三大宗教はどのように指し示すのか。「信なき時代」における宗教の存在意義と課題を問い直す。(講談社学術文庫)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

masabi

14
宗教は信じることを、哲学は疑い問うことを基礎に置く。とすれば、教義が現実にそぐわないことをもって宗教を批判することは無意味である。信徒にとってはまず第一に信じることが信仰になるからである。現実の悲惨さですら、死後の復活が救済となる。筆者にとっては神を信じない自由は認めるが、無心論者の存在はいいものではないようだ。宗教批判に対する批判において、批判者が批判する対象は宗教と思い込んでる別事象だとの記述があるが、宗教批判は宗教家のなかからも出るので妥当しないのではないか。2015/05/14

ふくろう

4
宗教は「信じる」ことから、哲学は「疑う」ことから始める。神と人間の関係についての説明はシンプルだが、主観だらけの説も混在しているので注意。2009/06/15

アブーカマル

2
宗教学を再考するためにも宗教の哲学。「哲学と宗教とは、非所有と所有、問うことと答えることの中に立っている」パウル・ティリヒ。ルターは罪を人間の「自己追求」と規定した。「人間とは異なる神の放棄」フォイエル・バッハ。神学は人間学へ。フィヒテによれば宗教の本質は、信ずるというところにあるのではなくて、自ら神を見、持ち、所有するところにあると言うのである。本書で無信の信という信仰が語られてるところが一番しびれた。先のルターにも通ずるものでもあるだろう。2017/04/07

素人

1
筆者はこの本で仏教・キリスト教・イスラームの哲学を検討し、それを元に一般的宗教といったものを構想する。筆者の構想する一般的宗教は、教義については仏教的な絶対無を、実践についてはキリスト教の神の愛(アガペー)を、それぞれ中心的な原理として持つ。また、絶対無と神の愛は三位一体説により媒介可能であるとされる。このことから、本書はキリスト教の土台の上に「東洋的」宗教思想を接木しようとしたものと評価できる。2018/09/25

qwer0987

1
議論自体は刺激的なものも多いのは事実だが、幾分学術的でわかりにくい部分も多かった。有的あるいは無的絶対者とか、絶対無などの用語を使った説明はとかく観念的に流れる傾向があり、幾分意味を捉えにくい。そういう点ずぶの素人である僕には向かない。だけどたとえば禅における空を、無的絶対者と規定するなど、はっとする意見は多かった。2015/11/07

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