歎異抄

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歎異抄

  • ISBN:9784065106501

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内容説明

師・親鸞の教えを聞き書きし『歎異抄』をまとめた唯円。末法思想に包まれた千二百年代の日本を、ただただ阿弥陀の言葉を伝えるために、縦横無尽に巡る元気坊主・唯円の活躍を楽しみつつ、親鸞の有名な言葉「善人なおもて往生をとぐ、いわんや悪人をや」の深い深い意味に、あらためて耳を傾けよう!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

小木ハム

18
歎異抄(たんにしょう)は、念仏者が異なった信心を持たないように親鸞の直弟子、唯円が晩年にしたためた書で、本書は分かりやすく漫画化されたもの。阿弥陀仏がたてた願いは凡夫救済・衆生済度。欲や生に執着する気持ち、偽善や煩悩に悩み苦しむ人々を善人も悪人もなくすべからく救うこと。親鸞が説いたこの教えを、曲解したり悪用したりする輩の多いこと、異説が蔓延る社会に対する歎(なげ)き…。身勝手な解釈で正義を振りかざし他人を裁く者は、煩悩に侵されている自覚がない者。自覚のある悪人よりも救われづらい、と読み取れます。2021/07/20

アルカリオン

13
「薬があるからと言って毒を好むべからず」。悪人正機説を曲解した「本願ぼこり」は慎むべき。一方、本願ぼこりをことさらに批判する人々も褒められたものではない。悪行も環境・めぐりあわせの結果であり、個人の悪意だけで成立するものではない。自分が悪行を犯してこなかったとしても、それは「自分の心が善いから」ではない。それにもかかわらず「他力を唱えながら、罪だけは自力でつくれるものと勘違い」しているのだから。2021/07/05

のっち

9
☆☆☆★ 図書館本。所謂鎌倉新仏教である法然の浄土宗をさらに親鸞が発展させたものが浄土真宗であるが、その親鸞の言葉を弟子の唯円がまとめたとされるのが「歎異抄」である。親鸞、浄土真宗と言えば悪人正機説、他力本願が思い浮かぶが本来「他力」は阿弥陀様のはたらきのこと、「本願」は苦しんでいる全ての人を救うという誓いのことである。他力本願で問題となるのはその行為が自力か他力かということで、自力で善行を積むというのはその実他力本願の目的からは遠ざかるゆえ、まずは自分が悪人だと自認することが救われるためには必要である。2023/05/02

じぇふ

8
気になったのですが、難解そうなのでまずは漫画で。 悪人にこそ救いが必要、救いが必要な人にとっての自力ではなく他力、因縁がなければ悪行はしようと思っても出来ない、本願ぼこりやそれを避難すること=偽善など、キーワードは理解できた気がします。定義として、浄土門(易行)、聖動門(難行)なども新たな学びでした。次は優しい解説書かな。2021/05/02

にゅ

8
家は代々浄土宗でしたが、教えについては中学生日本史の知識以外ほぼ何も知りませんでした。 歎異抄の内容が分かりやすくまとめられています。2、3箇所ほど、「それどういうこと?」という部分がありますが、初心者には大変読みやすくて助かります。 浄土宗、浄土真宗は、親鸞聖人のように、自力で頑張ったけど結局どうにもできなかった人こそ救済されていく。希望も持てず、しかし仏道修業はできない無明な現代人にこそ救いがあるような、なんだか優しくて暖かい宗教だなぁと思います。2019/04/11

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