内容説明
常識外れのマル暴刑事と極道の、プライドを賭けた戦い。作家、マスコミほか多くの賞賛を集めた、圧巻の警察小説。
昭和63年、広島。所轄署の捜査二課に配属された新人の日岡は、ヤクザとの癒着を噂される刑事・大上のもとで、暴力団系列の金融会社社員が失踪した事件の捜査を担当することになった。飢えた狼のごとく強引に違法行為を繰り返す大上のやり方に戸惑いながらも、日岡は仁義なき極道の男たちに挑んでいく。やがて失踪事件をきっかけに暴力団同士の抗争が勃発。衝突を食い止めるため、大上が思いも寄らない大胆な秘策を打ち出すが……。正義とは何か、信じられるのは誰か。日岡は本当の試練に立ち向かっていく――。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
W-G
964
映画化もされるし広島に引っ越してきたし、という理由で読んでみた。大上役が役所広司というのはだいぶイメージが違うような…。話しの筋自体は割とシンプルで、ドンパチにドンパチを重ねて膨らましたようなところがあるものの、熱量が凄く、グイグイ読まされた感じ。エルロイを連想させる章冒頭の業務日報も、ただの雰囲気作りではなく、最後に意味を持ってくるというつくりがニクイ。ただ、それだけにもう少し陰謀小説的な側面も打ち出して欲しかった。ヤクザのやり口がまんまヤクザ。続編が連載中らしいが、どのような続き方をするのだろう。2017/12/24
青乃108号
558
これは恐れ入った。軽々にレビューを書くのがはばかられる、このような本は初めて読んだ。物凄く濃密な物語。読む者の心を捉えて離さない、強烈な魅力がある。先に読んだ【あしたの君へ】と同一作家の手によるものとはとても信じられない。こんな凄い物を読まされた日にはこの作家の本、追いかけずには居られない。兎に角これは、他の事を追いやってでも時間を作って、読むべき一冊だ。2022/10/12
ehirano1
509
#いやー面白いです。#まさかまさかの展開。#各章の『日誌』には意味があった!#タイトルの『孤狼の血』と云う全くもって妥当なタイトルに呻る。#表紙の『ジッポ』はそういうことかぁ・・・。#日岡秀一よ、お前はそういうことだったのね。伏線は確かに何回もあったわ。#プロローグの班長って、もしかして・・・。#続編の『凶犬の眼』ももちろん読む!2019/11/09
あきら
381
物語に引き込まれて、一気読み。 登場人物が格好いい。細かな描写がきっとものすごくリアルなんだと思う。 これはとにかくおすすめです。続編も読もうっと。2021/09/15
nanako
380
どうしても、役所広司と松坂桃李の二人を思い浮かべながら読んでしまいます。映画はまだ観ていませんが、イメージは近いのではないでしょうか?狂犬の眼も、ぜひ読んでみたいです。2018/05/20