われらの子ども 米国における機会格差の拡大

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われらの子ども 米国における機会格差の拡大

  • ISBN:9784422360010

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内容説明

子どもたちにはもう、平等な成功のチャンスはない!
米国の社会関係資本(ソーシャル・キャピタル)の衰退を論じ、≪朝日新聞 ゼロ年代の50冊2000~2009≫にも選ばれた『孤独なボウリング』の著者が再び世に問う、アメリカン・ドリームの危機。世代・人種・社会階層の異なる市民へのインタビューと、緻密な統計分析を通して、成功の機会格差の固定化を実証し、未来の世代への警鐘を鳴らす全米ベストセラー。

==推薦者の言葉==(五十音順)
■古市憲寿氏(社会学者)
トランプがアメリカを壊したのではない。アメリカはとっくに壊れていた。本書は、膨大なインタビューをもとに分裂国家アメリカの「絶望」と「希望」を鮮やかに描き出す。
■ブレイディみかこ氏(英国在住保育士/ライター)
チャールズ・ディケンズは小説家として、ロバート・パットナムは社会学者として、貧困と格差の固定が社会的危機の根元にあることを警告している。
■湯浅誠氏(社会運動家/法政大学教授)
人生のすべてを覆い尽くしてしまう機会格差の加速化する拡大を止めるには?――潤いを失った社会が偽の<救世主(ヒーロー)>に焼き尽くされる前に、私たちはこの感覚を取り戻さなければならない。
■渡辺靖氏(慶應義塾大学教授)
「私の子ども」から「われらの子ども」への意識転換は可能か。社会関係資本論の第一人者が描く処方箋は日本の未来にとっても極めて有用である。

※別枠、米国書評抄訳では、フランシス・フクヤマも絶賛。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ミカママ

278
【原書】公立教育(職場)において貧富の差を目にすることはあれど、正直どこか他人事だと思っていた、これを読むまでは。そうではないんだわ。貧困家庭子弟の可能性の芽を摘むことは、そのままイコールアメリカDGPのロスであり、犯罪率の増加であり、保険料・医療費の負担に繋がる...。アッパーミドルと貧困家庭の子育ての現状(各地域、各階層、各人種)を、数字を使って示されたのもスゴかった。解決策にあまり新鮮味がないのが、残念と言えば残念。子育て中のあなた、開眼・必読の書です。2017/09/20

Shintaro

76
学歴は遺伝する、と書くと正しくはない。正しくは、親の学歴と子の学歴は正の相関がある。そして相関係数は年々高まっている、が事実。著者は貧しい子どもは幼少から就職まであらゆる段階で機会が奪われていることをケーススタディと社会学的手法で明らかにした。貧困が機会の剥奪に及ぼすパスは様々であり一筋縄ではいかない。家庭、学校、コミュニティそれぞれが崩壊している。アメリカン・ドリームは崩壊しつつある。米国人はこの状況を許すのか。彼らはトランプ政権を選んだ。お手並み拝見である。しかしその姿は数年後の日本の姿なのだ。2017/04/29

Koichiro Minematsu

55
著者パットナムの子供時代の1950年代にも貧富の差は確かに存在していたが、貧富と機会はある程度切り離されていたので、まだ「アメリカンドリーム」は存在していたが、半世紀以上経過した現在、貧富の差と機会の差の連結性が非常に強くなったと家族・育児・教育・コミュニティのあらゆる面で懸念されると述べる。自分の子どもの未来を考える上で非常に参考になる。2023/05/08

きいち

32
この分断、そうなのだろう、でも、それにしても、厳しすぎる…数字はあくまで後景に置かれ、個人名(仮名だが)によるライフヒストリーが前面にでているだけに、身につまされ方はハンパない。すでに経済格差は住むところを分け、コミュニティの質も社会関係の豊かさも個々の家庭での育児の質も個人個人の健康もはっきりと異なるものとなってしまった。◇人種の違いではなくなってることは希望。◇日本にはまだ、可能性はある。でもそのためには、自分たちの注力が求められるはず。他責にしたまま消費者のままで居続けるのなら、それこそ自己責任だ。2017/11/04

樋口佳之

28
数字から何かを学ぶ者もいるが、ストーリーから学ぶ者はより多い。本書の中心の目的は、「もう半分の人々の暮らし」に敏感な意識あるアメリカ人の数を広げることにあるので、金持ちの子どもと貧しい子どものライフストーリーを最重要のものとして置いた。/直接のテーマでは無いけど、銃が身近にあふれている事が与える破壊力大きい。大きな困難を抱えた家族や学校に銃が普通に存在する。ここは日本では想像出来ない事。2018/11/08

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