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内容説明
「守り人」シリーズで、タルシュの密偵(ターク)となって活躍したヒュウゴ。そのヒュウゴが、ヨゴ国の軍人の家庭に生まれながら、なぜタルシュ国の密偵になったのかを描く「炎路の旅人」と、バルサの少女時代を描く「十五の我には」の二作品を収録。番外編にあたる守り人作品集です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ハサウェイ
83
ヨゴ国が大国タルシュから滅ぼされる。その時代の10代のヒュウゴの物語。後に何故タルシュの「鷹の目」と呼ばれ、軍の密偵となった経緯を描く。彼の鋼の様な肉体と精神。しかし、まだ若い彼の心はガラスの様でもある。もがき苦しみむ彼の心の描写がよくわかる。周りの人々の支えにより彼の心は流れゆく川の如く変化し、やがて鷹のように高い舞い上がる。もう一作は10代のバルサとジグロ。作中の「15の我には」感銘を受けた。この作中を読んだ事により、守り人シリーズ中のヒュウゴやバルサの、あの時にどういった心情であったかが良く分かる。2016/07/14
よむよむ
66
チャグムやバルサの命を助け、チャグムがロタ王との交渉に失敗した時も策を伝言するヒューゴ。謎めいたヒューゴの物語があることを知り、守り人最終章の途中でありながら寄り道して手に取りました。ヒューゴの目を通して語られる枝国の末路。ヒューゴの悲しみ、憤り、無力感。その気持ちを抱いたままタルシュの密偵となったヒューゴ。彼の目にチャグムは眩しく映ったことだろう。また一人守り人の世界の住人を知り益々守り人の世界は広がりを見せた。そしてもう一遍15才のバルサ。未熟な己と運命に立ち向かう様が良かった。2016/10/10
BlueBerry
64
久しぶりに守り人シリーズの世界に触れて懐かしく読みました。スピンオフの本も沢山あるのでいつか本編とスピンオフを時系列通りに読んでみたいと思いました。2015/01/11
パフちゃん@かのん変更
55
タルシュの密偵なのにチャグムに親切だったヒューゴ。ヨゴ皇国の帝の盾の息子でただ一人生き残ったヒューゴがリュアンに救われ、身一つで力強く生きていく姿、そしてあれほど嫌っていたタルシュの密偵になるまでの心の動きを描いている。ヒューゴのもっと詳しく書かれていたという元の話を読みたい。2015/01/08
ダージリン
41
ドラマが思いのほか良くて、また読みたくなったら最後の1冊積んでました(笑)。久々に読むとこんなにストレートに五感に訴えてくるような力強さ、登場人物の気持ちに共感させられる、そんな文章で改めて上橋先生は凄いなと思いました。ヒュウゴとバルサのそれぞれの十代の頃の物語・・・本編がまた読みたくなりますね。2016/03/22