内容説明
歳を重ねても変わらず湧き立つ魅力で女性たちを惹きつけてやまない光源氏。明石の君の娘である明石の姫君が入内し、自らの地位をも不動のものとした源氏だが……。絢爛豪華な恋物語の甘やかさと、一筋縄ではいかない人間模様の切なさを存分にはらんだ名作は、古びることなく今なお読者の胸を打つ。圧倒的な面白さを現代に伝える54帖全訳の決定版。第三巻には「蛍」から「若菜下」までを収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
佐島楓
11
源氏の次の世代が恋をするようになっていく。玉鬘、男性に翻弄されまくりで気の毒だ。2012/04/21
よしひろ
8
平安時代にタイムスリップできる。最上の美しさ。非常に長い作品だが、いつまでも続いてほしいと思ってしまう。長さ自体が時代を表現する価値がある。紫式部の卓抜した観察力と表現力は圧巻だ。そして、与謝野晶子はそれを見事に現代に再現してくれている。2015/09/19
Kei
5
源氏ももう40歳。2023/04/30
アリョーシャ
5
蛍~若菜まで。三巻では、今までとは異なった性格の人物が多く登場してきたように思う。玉鬘、衛門督あたりの個性的な人物は、著者の周囲にモデルとなる人物がいたのではないかと思う。ここまで来ると、源氏や紫の上といった主要人物の性格はだいぶ固まってきているので、新しい人物が登場するだけで独りでに動き出すようだった。このあたりが、長編の醍醐味だと思っている。 平安時代という現代とは異なるルールの中にあっても、その中で生活する人々の感じるものにさほど隔たりを感じない。紫式部が描いた当時の「現代社会」は、今に通じている2015/09/24
のぶ
4
栄華を極める六条院の姿を描きつつ、あくまで自然に少しずつ、源氏の時代が終わり次の世代の物語へと移ろいゆくさまが素晴らしい。誰しも一度登場した人物は蔑ろにされない点も、おもしろさの一つであるかもしれない。2020/02/03