内容説明
帝の寵愛を一身に集めた桐壺の更衣が産んだ美しい皇子と、かかわる人々の姿を情感豊かに写し取った、世界最古の長編小説「源氏物語」。切なさといとおしさに満ちあふれた恋模様や、熾烈な権力闘争など、いつの世も変わらない人間の営みを描ききった日本文学の最高傑作が、與謝野晶子の優しく格調高い筆致で現在によみがえる、54帖全訳の決定版! 第一巻には「桐壺」から「花散里」までを収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
佐島楓
16
学生時代原文を受験勉強で部分的に読んだくらいでした。こういう社会構造の頃に女に生まれなくてよかったとは思うけど、小さい頃はなぜか典雅な雰囲気に憧れて、平安時代に行ってみたいと思っていたんだな。2012/04/20
よしひろ
8
日本の美しき恋を知る。花鳥風月と優美な宮廷内、音楽。それに、紫式部の筆が冴え渡る。うっとりするような物語が千年の眠りを呼び覚ます。2015/09/19
Kei
4
昔、あさきゆめみしを読んだ時以来。2023/04/26
のぶ
4
『珈琲店タレーランの事件簿 5』を読んで、久しぶりに源氏物語に挑戦することになった。周りの人間関係でも結婚だとか出産だとかいうものが現実にたち現れてきたせいか、与謝野晶子訳の一文一文と自分の周りを照らし合わせてみることが多いように感じる。葵の巻はことに身にしむものであった。また、末摘花、花散里といった巻を、今でいうスピンオフ的なものととらえると、格段に読みやすくなった。2020/01/10
トリッコロ
4
高校時代の古文で学んだ「源氏物語」の與謝野晶子版に再チャレンジ。第1巻は「桐壺」から「花散里」までで、訳者の格調高い筆致に少々手こずったが、何とか読了。個人的には、詩にも翻訳を併記して欲しかった。2015/04/19