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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ころこ
40
後期柄谷の仕事である生産様式ならぬ交換様式の探究です。生産様式でないところに資本主義批判が込められています。冷戦崩壊によりマルクス主義的言説が失調し、資本主義に覆われた世界をグローバリズムと批判していますが、著者が最後に構想する世界共和国はグローバリズムではないのかという批判は容易に想像できます。「産業資本が労働者を搾取するだけでなく、いわば自然も搾取」するとありますので、斎藤幸平『人新世の「資本論」』は10年以上前と同じことをいっていたことになります。本書が『人新世』と異なるところは2つあります。第一に2021/12/25
fseigojp
28
柄谷教の信者になった本です2015/10/17
白義
22
後の世界史の構造の見取り図を素描した序説的な本で、現実では暴力的な惨禍に終わったマルクスの理念をカント的に捉え直し、新たなユートピア論を構想しようとした意欲作。互酬、再分配、商品交換という交換様式の交錯により原始共同体から近代的な資本=ネーション=国家までの社会構造の歴史を整理し説明しているのは面白い。しかしそれらの最後に来る第四交換様式=Xによるアソシエーショニズムというユートピアの概念はというと未来へ導く理念としても姿がまだ不明瞭で、抽象性が高過ぎるという印象も。過去の思想家の読み直しとしても面白い2015/06/10
りり
9
読んだけれど、基礎知識がなくてついていけず。もう少し勉強してからでないと、まともに理解すら及ばない本。2015/12/23
Yobata
9
『トランスクリティーク』を出版し、その内容をもとにアソシエーション=「国家と資本への対抗運動」の活動(NAM)などで有名な柄谷行人が説く、資本主義にいたる過程、そして資本主義の限界,そこからの脱却をカント的な視点から考察し、近代世界を形成する三要素、資本・ネーション・国家をそれぞれ検討した上で、「世界共和国」という新たな世界への道筋を提案する本。「資本=ネーション=国家」といった捉え方や資本主義にいたる歴史記述には興味を惹かれるが、グローバル化によって国家間の問題の解消ができるや国連に軍事権を→2006/06/30