内容説明
真っ白だった。 上も、下も、右も、左も、ただ白かった。 「見事に何も見えないな」 「見事に何も見えないね」 「でも、すぐにまた、見えるようになる」 「見えるようになるだろうね」 「ねえ。見えるようになって、目の前にきれいさっぱり何もなかったらどうする? ちょっと嬉しくない?」 「ああ。でも、そんなことはありえないことを、ボクは知ってるからね」 「晴れたら、どうするつもり?」 「そうだな……、ここにいても仕方がないし、ボクにできることもない。出発するだろうな。それだけだ」 人間キノと言葉を話す二輪車エルメスの旅の話。短編連作の形で綴られる、大人気新感覚ノベル第3弾!!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ソラ
24
アニメ視聴とそろそろ新刊出る頃合いかと思って再読。 まぁまぁ毒のある話もある中で『終わってしまった話』は結構好み。2018/09/15
作楽
12
機械人形の話、が、やりきれない。ショートの話なので、読みやすい2017/11/08
キラリ
9
このシリーズは安定感があって、ぶれることなく毎回同じ様なトーンで話が書かれている。星新一を読んでるときみたいな、現実とずれてる違和感の中を漂う。感想は毎回同じようなものになってしまうのだけど、なぜか時々読みたくなる。次の巻もそのうちふらっと読むんだろうな。2016/12/13
朔麻
8
3冊目。「愛と平和の国」しょっぱなからキノじゃない。シズ様と陸は永住の地を求めているのかしら?「城壁のない国」プロローグと違う意味で城壁のない国。遊牧民には遊牧民のルールがある。「説得力」はキノが師匠のところで修行しているときかな。「同じ顔の国」は本当に凄い。自分だったら区別をあきらめると思う。しんみりしたけれどほっとした。「機械人形の話」は機械と人間のやり取りが切なくなる。「差別を許さない国」は伏字が多くて理解不能だったが、衛生観念のない国か。「終わってしまった話」はキノと出会って人生が変わった話。2021/04/08
クロロ
8
「終わってしまった話」がかなり好みだった。「城壁のない国」のあの救えない感じがたまらなく好き。面白かった。2018/02/03