内容説明
アニメが描いてきた〈戦い〉には、どのような〈トラウマ〉を見ることができるだろうか。様々な専門領域から人気作品を読み解く。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Isamash
19
編者は森茂起(甲南大名誉教授、臨床心理士)と川口茂雄(上智大哲学科准教授)。2023年出版。サイボーグ009、さらば宇宙戦艦ヤマト、機動戦士ガンダム、火垂るの墓、美少女戦士セーラムーン、魔法少女まどか⭐︎マギカ、千と千尋の神隠し等が取り上げられてる。話題は戦争での加害性意識の欠如、玉砕精神の残存、女同士での戦友の創造、主役の体が傷つく衝撃、労働する少女の職場とのマッチング等。斉藤環(精神科医)による日本アニメ特有の「萌えキャラ」論考は興味大。手塚治虫に起源があり、海外では過去抑圧されてきたが受容進行中と。2023/09/13
Alm1111
2
アニメをこんな真剣に学術として論じる時代が来ようとは。感無量。2023/08/12
@yuc
1
アニメや漫画でこんなに学術的論考ができるなんて驚きです。世代的に理解できるアニメに触れた章しか読みませんでしたが、興味深かったのはアトムとガンダムの話、そして斎藤環さんの萌え論考。好きなマンガアニメのパトレイバーとゴールデンカムイを扱ったコラムも。尾形の思考行動は自分の中で未消化だったのを蓋していたのに、コラムを読んで改めて最終巻を読みまた悶々としている。2023/12/15
SHEEP
1
自分がそこまでたくさんアニメ観ないからなんだろうけど、漫画に対する論考の箇所がおもしろかった。 記号的なキャラが血を流すことにより生を意識させる「傷つく身体」論と日本アニメの「萌え」の特殊性への論考が興味深かい。2023/10/17