講談社現代新書<br> 天皇家のお葬式

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講談社現代新書
天皇家のお葬式

  • 著者名:大角修【著】
  • 価格 ¥880(本体¥800)
  • 講談社(2017/10発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784062884501

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内容説明

天皇の葬儀のかたちは、時代によってさまざまであった。日本で初めて火葬されたのは持統天皇である。その後、聖武天皇以降は土葬に戻ったが、淳和天皇の時は遺言によりふたたび火葬になり、しかも初めて散骨されている。また、明治天皇以降、葬儀は神式であるが、江戸時代までは仏式で行われていた。なぜ、仏式から神式に変わったのか?古代からの天皇の葬儀の変遷をたどりながら、その時代背景や時代の変化について論考する。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

おかむら

30
天皇家も江戸時代まではお葬式は仏式で、お寺に埋葬されて位牌や菩提寺もあったって。へえー! 天皇家にまつわる色んな「伝統的」とされる儀式は明治時代に新たに作られたり古代のを復活させたりしてて、実はそんな長ーい伝統はなかったってことがよくわかる。お葬式じゃなくて即位のときの大嘗祭も、やったりやんなかったりしてるし(お金ないときはやってない)、天皇家の人々の方から簡素にしてくれって言ってんだからそうすりゃいいのになー。あとお墓(陵墓)の決め方がけっこうアバウトなのが気になるー。2018/12/24

Humbaba

4
社会で大きな動きがあったとしても、それが即座に自分の生活へ影響してくる訳ではない。そのような意味では、日常の、世界的に見たら小さな出来事のほうが重要であることも起こり得る。地方のニュースを調べてみると、その時代のその土地における影響を推測することが出来る。2018/02/25

Yasuhisa Ogura

4
皇室の葬儀をとおして、日本の歴史を概説したもの。伝統が積み重なっていると思われがちな皇室の葬儀も、実は大きく変えられてきたことが分かる。それまでの葬儀は仏式の色彩が強く、皇室の菩提寺である泉涌寺に埋葬されることが多かった。しかし、明治維新以降は皇室が望んでも、仏式の葬儀や寺院に埋葬することを政府は認めなかった。その一方で、新たな「伝統的な」様式を整えた。天皇が時の権力者の影響を強く受けているということを再認識させられると同時に、日本の「伝統」も実は作られたものかもしれないということを考えさせられた。2017/10/30

yone

3
天皇家のお葬式は、江戸期以前は仏式で長く営まれ、神道の形式が整えられたのは明治以降。昭和天皇の没した時は高校生で、なんとなく伝統的な行事としてテレビを見ていた葬儀は、明治以降かつ時代により、状況により、変化してきたものだったのだという事が非常に面白かった。先日、某政治家が、同性パートナーが日本の伝統に反すると言ってたけど、伝統に反するなんて批判は疑った方がいいかもしれないと考えるね。2017/11/28

ひろ

1
主には中世以降、そして近現代の天皇家の葬式とそれを取り巻く政治環境の変化について述べており、特に近現代のそれについてはもはや日本の近現代史の様相を呈している。明治天皇が廃止するまで即位に伴い灌頂が行われていたり、戦後に行われた大正天皇の皇后の神式の葬儀でもこっそり経文が棺に収められたりと、数百年続いた天皇と仏教の伝統は切っても切れない様子が伺える(今も皇室と京都にある元天皇家の菩提寺とは関係がある)。さらには政教分離原則の現憲法下で上皇の葬儀を誰がどう行うか。徹頭徹尾天皇とは政治的存在だと痛感させられる。2021/02/03

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