八月十五日に吹く風

個数:1
紙書籍版価格
¥814
  • 電子書籍
  • Reader
  • ポイントキャンペーン

八月十五日に吹く風

  • 著者名:松岡圭祐【著】
  • 価格 ¥814(本体¥740)
  • 講談社(2017/08発売)
  • 3月の締めくくり!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~3/31)
  • ポイント 210pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784062937443

ファイル: /

内容説明

多忙の外務省担当官に上司から渡された太平洋戦争時のアメリカの公文書。そこには、命を軽視し玉砕に向かうという野蛮な日本人観を変え、戦後の占領政策を変える鍵となった報告の存在が示されていた。1943年、北の最果て・キスカ島に残された軍人五千人の救出劇を知力・軍力を結集して決行した日本軍将兵と、日本人の英知を身で知った米軍諜報員。不可能と思われた大規模撤退作戦を圧倒的筆致で描く。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

三代目 びあだいまおう

302
『この小説は史実に基づく 登場人物は全員実在する』平行して読んでいる『終わらざる夏』の舞台とも絡む第二次世界大戦の一幕。日米双方の視点で描かれ、当時の米軍が考える日本人観を知る。特攻、玉砕、死を恐れず遺族さえも御国のために命を捧げた家族を称え万歳する。戦況危うくなれば非戦闘民の女子供に至るまで命を捨てて一億総特攻、一億総玉砕も辞さないはずと危険視!その思想を否定し、命を他人を慈しむ日本人の気質を訴えたのが一人の米国人と、終戦2年前のキスカ島奇跡の救出劇!これは確実に戦後日本を救った感動の史実である‼️🙇2019/08/17

いつでも母さん

171
人は自分の読みたいように、読みたい所だけを読む。けれど、かつては誰かの都合のいいように読まされ信じ込まされたーキスカ島に残る5200名を無血撤収させたのは、神風ならぬ神霧だった。だがそれは自分を信じ知識を学ぶ姿勢を崩さなかった木村司令官がいたからだ。アッツ島の方角に敬礼をする場面では涙が出た。あの頃だって、きっと木村司令官のような方は沢山いただろうに、いとも容易く命は露と消されたのだなぁ。『戦争はイヤだ!』『戦争はダメだ!』と世界は学んだはずなのに未だ地球上から無くならない。2017/09/09

サンダーバード@怪しいグルメ探検隊・隊鳥

160
松岡氏初読み。ミステリー作家だと思っていたらこんな作品も書くのですね。1943年夏、アッツ島玉砕の陰で行われたキスカ島からの撤退戦。米国領の孤島に置き去りになった5200名の兵士の救出劇。海域には米艦隊がひしめき、その中を決死の覚悟で突破する日本軍。後方支援という概念をほとんど持たず、精神論を押し付けて、劣勢になれば「玉砕」を強いてきた日本。もはや物資も乏しい中、このような作戦を決行することができたのは奇跡とも言える。木村昌福、樋口季一郎と言う人物に興味を持った。★★★★2018/08/05

青蓮

141
終戦から2年前にこんな出来事があったとは…松岡圭祐の最近の新作はマニアックな近代史路線ですね。 松岡圭祐の筆により、今まで忘れられていた歴史がまた一つ甦る‼ リーダーの姿とは? 失敗の本質とは? いまの日本が築かれた理由とは? 知らなかったことが沢山‼日本人なら知っておいた方が良い一つの歴史ですし、これは良書だと思うのでオススメです(^^)2017/08/31

しいたけ

140
最初に「史実に基づく」と書いてある。「登場人物は全員実在する」とも。本当か。本当にこんな信念を持った男があの戦時中にいたのか。極寒のキスカ島に取り残され米軍に囲まれた五千二百名もの兵士たち。彼らを一人残らず救うため、ただそれだけのために艦隊は進む。この事実が日本人の人間性への誤解を改め敗戦後の占領政策を平和的なものに変えさせた。木村昌福少将。読むうち堤真一はたまた西島秀俊かと妄想してしまう。頑張れ、私の読解力。八の字髭が大きすぎる可笑しみのある人物とある。彼が成し遂げる無血の撤収作戦。日本の誇りである。2017/08/15

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/12179386
  • ご注意事項