岩波文庫<br> 宮沢賢治詩集

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岩波文庫
宮沢賢治詩集

  • 著者名:谷川徹三
  • 価格 ¥891(本体¥810)
  • 岩波書店(2017/08発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784003107614

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内容説明

野や山を友とする自然体験,法華経に傾倒した宗教体験,貧しい東北農民を眼前にみる社会体験の三位一体の上に発想・表現される宮沢賢治(一八九六‐一九三三)の独特の魅力に満ちた詩群から一四六篇を収録.一瞬一瞬心に映るものの中に万象の永遠の姿をみるという賢治の世界は,今日ますますその不思議な輝きを増し,読者をとらえてはなさない.

目次

目  次

 春と修羅 一

 序

 屈 折 率

 くらかけ山の雪

 丘 の 眩 惑

 ぬ す び と

 春 と 修 羅

 有 明

 雲 の 信 號

 風 景

 休 息

 眞 空 溶 媒

 蠕 蟲 舞 手

 小岩井農場 パート二

 風 景 觀 察 官

 岩 手 山

 高 原

 原 體 劍 舞 連

 グランド電柱

 電 線 工 夫

 マ サ ニ エ ロ

 永 訣 の 朝

 松 の 針

 樺 太 鐵 道

 鈴 谷 平 原

 不 貪 慾 戒

 風景とオルゴール

 第 四 梯 形

 火 藥 と 紙 幣

 過 去 情 炎

 一 本 木 野

 鎔 岩 流

 春と修羅 二

 空 明 と 傷 痍

 五 輪 峠

 晴 天 恣 意

 早 春 獨 白

 休 息

 烏

 海 蝕 臺 地

 有 明

 浮世繪 北上山地の春

 國立公園候補地に關する意見

 春

 曠 原 淑 女

 牛

 谷の昧爽に關する童話風の構想

 鳥 の 遷 移

 葱嶺先生の散歩

 寄 鳥 想 亡 妹

 水 源 手 記

 半 蔭 地 撰 定

 産業組合青年會

 業の花びら(異稿)

 善 鬼 呪 禁

 遠 足 許 可

 母 に 言 ふ

 霜 林 幻 想

 郊 外

 命 令

 旅 程 幻 想

 蟻

 鑛染とネクタイ

 岩手輕便鐵道 七月

 下背に日の出をもつ山に關する童話風の構想

 春と修羅 三

 岩手輕便鐵道の一月

 氷 質 の 冗 談

 昇 羃 銀 盤

 作品第四〇九番ノ一

 未來圈からの影

 詩 へ の 愛 憎

 水 汲 み

 はるかな作業

 圃 道

 白 菜 畑

 病 院

 作品第一〇〇四番

 作品第一〇〇八番ノ一

 作品第一〇一五番

 作品第一〇一六番

 開 墾

 作品第一〇一七番ノ二

 札 幌 市

 野 の 師 父

 作品第一〇二二番

 つかれてねむいひるまごろ

 作品第一〇三一番

 市 場 歸 り

 悍 馬

 政 治 家

 作品第一〇五四番

 縣技師の雲に對するステートメント

 僚 友

 稻 作 插 話

 和風は河谷いつぱいに吹く

 祈 り

 會 合

 停留所にてスヰトンを喫す

 穗 孕 期

 春と修羅 四

 阿耨達池幻想曲

 花鳥圖譜 雀

 若き耕地課技手の iris に對するレシタティヴ

 毘沙門天の寶庫

  (下で別れたさつきの人は)

  (まあこの空の雲の量と)

  (こつちの顏と)

 生徒諸君に寄せる

 東 京

 浮 世 繪

 丸善階上喫煙室小景

 文 語 詩 稿

 岩 手 病 院

  (川しろじろとまじはりて)

 上 流

 家

  (林の中の柴小屋に)

 雪 の 宿

  (萌黄いろなるその頸を)

 米 穀 商

 流 氷

 峽 野 早 春

 早 春

 川

 祭 日

 齒 科 醫 院

 母

 戸 主

 崖 下 の 床 屋

 旱 害 地 帶

 橋場線七っ森下を過ぐ

 氷 上

  (うたがふをやめよ)

 二 月

 岩 頸 列

  (巨なるどろのもとにて)

 僧 園 幻 想

 祭 日

 谷

  (このみちのいつともしらね)

 烏 百 態

 縣 道

  (われらひとしく丘にたち)

 肺 炎 詩 篇

  (いまわたくしの胸は)

  (その扇ろしい黒雲が)

 夜

 病 相

 眼にて言ふ

  (手は熱く足はなゆれど)

 手 帳 よ り

 十 月 廿 日 (この夜半おどろきさめ)

 十 一 月 三 日 (雨ニモマケズ)

 歌 曲

 牧 歌
   註
   解 説  谷 川 徹 三

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

121
『永訣の朝』には苦い記憶がある。中学時代、先生がこの詩を朗読している際、あちこちでクスクス笑い始めた。先生は涙声で「嘆かわしい」と一言残して授業を中断し、出て行ってしまった。詩にも先生にも大変失礼なことをした僕らを誰も阻止できなかった。妹の臨終というこの詩の深い哀しみの光景に今なら涙するのに、罪悪感のほうが胸にチクチク刺さって痛い。詩集全体通して旧仮名遣いで、自然を客観的に描写しながら宗教的要素も盛り込まれ、内容はとても奥深い。宮沢賢治の生き様を知ってから読むと見えてくる思想があって少しわかりやすくなる。2013/09/25

HANA

74
宮沢賢治は一時期熱中した時期があり、有名な詩は暗記するほど読み込み、はるばる花巻まで旅行までしたのだが、本書を読んで改めてその魅力に引き入れられた。秋の高原のような、澄んだ空の銀河を見上げるような、そんな鉱石のような透き通った言葉の数々。有名作品は数ある詩集の中から満遍なく取り入れられているのだが、ファンとしては幾つかの作品が入っていないのに軽い不満を覚える部分も。「青森挽歌」「河原坊」は入れて欲しかったし「小岩井農場」は全編入れて欲しかったなあ。「春と修羅」や「永訣の朝」を再び読めただけで満足したけど。2023/06/13

さっとる◎

35
「わたくしといふ現象は/仮定された有機交流電灯の/ひとつの青い照明です」ー序のこの冒頭に引き込まれ、読んでみるも理解が追い付かずほぼ積みっぱなしに(-""-;)銀河鉄道の夜を読み終わってからの再挑戦、驚くほど読み進むことができた。相変わらず理解は正直さっぱりだけど、一生かけて何度も読み返したい1冊になりました(*^^*)「すべてがわたくしの中のみんなであるやうに/みんなのおのおののなかのすべてですから」賢治の慈愛に満ちた眼差しが、人を自然を弱者を、すべてを、優しく青く照らす。2016/03/14

ゆか

27
「銀河鉄道の父」を読んだあとだったので、その時の様子を思い浮かべながら、読みました。「春と修羅」などは、まさに背景を知ってから読むことができよかった。妹のことも、以前見たお芝居と、「銀河鉄道の父」で知ってから詩を読むとぐっときてしまいます 。ただもっと若い時に読みたかったです。難解で、なかなか頭に馴染んでいかず、自分の衰えに愕然とする読書でした。宮沢賢治がストイックなイメージだったので、本を読み、彼の素顔がわかり、そうしてまた改めて詩を読むと、今までの自分の感じ方に変化もでて面白かったです。2018/12/26

くまさん

17
 苹果、雲雀、芝草、蠕虫、腐植土、稲妻萱穂、石英安山岩、劫風、乱積雲、えぞにふの花、マグノリアの花、Ora Orade Shitori egumo・・・。具体的な自然との接触と、はてしないイメージの飛翔の連鎖にただただ驚く。「自我という現象」はひとつの青い照明となって空にみじんにちらばる。「まことのことば」、生の真実はどこにあるのか。「億の巨匠が並んでうまれ/しかも互に相犯さない/明るい世界はかならず来る」こと、雪やみぞれや陽光が「聖い資糧をもたらす」ことを「すべてのさいわいをかけて」私も願う。2018/07/07

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