内容説明
「詩はただ病める魂の所有者と孤独者との寂しい慰めである」として,ひたすら感情の世界を彷徨しつづけた萩原朔太郎は,言葉そのもののいのちを把握した詩人として,日本の近代詩史上,無二の詩人であった.代表作「月に吠える」「青猫」等より創作年次順に編まれた本詩集は,その軌跡と特質をあますところなくつたえる.
目次
目 次
愛憐詩篇(「純情小曲集」より)
犀星序
自 序
出版に際して
夜汽車
こころ
女 よ
桜
旅 上
金 魚
静 物
涙
蟻地獄
利根川のほとり
浜 辺
緑 蔭
再 会
地 上
花 鳥
初夏の印象
洋銀の皿
月光と海月
「月に吠える」抄
白秋序
自 序
竹とその哀傷
地面の底の病気の顔
草の茎
竹
竹
すえたる菊
亀
笛
冬
天上縊死
卵
雲雀料理
感傷の手
山 居
殺人事件
雲雀料理
掌上の種
天 景
焦 心
悲しい月夜
かなしい遠景
悲しい月夜
死
危険な散歩
酒精中毒者の死
干からびた犯罪
くさつた蛤
内部に居る人が畸形な病人に見える理由
春 夜
ばくてりやの世界
ありあけ
猫
貝
麦畑の一隅にて
陽 春
くさつた蛤
春の実体
贈物にそへて
さびしい情慾
愛 憐
恋を恋する人
五月の貴公子
さびしい人格
見しらぬ犬
見しらぬ犬
青樹の梢をあふぎて
蛙 よ
山に登る
孤 独
白い共同椅子
田舎を恐る
○
雲雀の巣
「松葉に光る」抄(「月に吠える」拾遺)
松葉に光る
天路巡歴
巣
懺 悔
極 光
「青 猫」抄
序
幻の寝台
薄暮の部屋
寝台を求む
強い腕に抱かる
群集の中を求めて歩く
その手は菓子である
青 猫
月 夜
春の感情
蠅の唱歌
恐ろしく憂鬱なる
憂鬱なる桜
憂鬱なる花見
夢に見る空家の庭の秘密
黒い風琴
憂鬱の川辺
仏の見たる幻想の世界
鶏
さびしい青猫
恐ろしい山
題のない歌
艶めかしい墓場
鴉毛の婦人
緑色の笛
寄生蟹のうた
かなしい囚人
憂鬱な風景
野 鼠
輪廻と転生
さびしい来歴
閑雅な食慾
怠惰の暦
閑雅な食慾
馬車の中で
青 空
笛の音のする里へ行かうよ
意志と無明
蒼ざめた馬
思想は一つの意匠であるか
悪い季節
遺 伝
白い牡鶏
艶めける霊魂
花やかなる情緒
夢
春 宵
○
軍 隊
「蝶を夢む」抄(「青猫」拾遺一)
蝶を夢む
腕のある寝台
青空に飛び行く
冬の海の光を感ず
内部への月影
陸 橋
灰色の道
その襟足は魚である
春の芽生
黒い蝙蝠
石竹と青猫
海 鳥
眺 望
蟾 蜍
家 畜
野 景
絶望の逃走
僕等の親分
涅 槃
かつて信仰は地上にあつた
商 業
まづしき展望
農 夫
波止場の烟
「桃李の道」抄(「青猫」拾遺二)
桃李の道
風船乗りの夢
古風な博覧会
まどろすの歌
荒寥地方
仏 陀
ある風景の内殻から
輪廻と樹木
暦の亡魂
沿海地方
大砲を撃つ
海 豹
猫の死骸
沼沢地方
鴉
駱 駝
大井町
吉 原
大工の弟子
○
郵便局の窓口で
時 計
郷土望景詩(「純情小曲集」より)
中学の校庭
波宜亭
二子山附近
才川町
小出新道
新前橋駅
大渡橋
広瀬川
利根の松原
公園の椅子
監獄裏の林
「氷 島」抄
自 序
漂泊者の歌
乃木坂倶楽部
帰 郷
珈琲店 酔月
晩 秋
品川沖観艦式
告 別
「散文詩」抄
auld lang syne!
情緒よ! 君は帰らざるか
死なない蛸
神々の生活
郵便局
主よ。休息をあたへ給へ!
虚無の歌
あとがき……(三 好 達 治)
感想・レビュー
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KAZOO
青蓮
ヴェネツィア
匠
さっとる◎