内容説明
法とは何か、法律学の学び方など初学者から資格試験受験者まで、わかりやすく的を射た教え方で抜群の評価を受ける著者が贈る確実に法学の核心が理解できる入門書の決定版。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
白義
18
なぜ法律というものがあるのか、なぜ法学を学ぶのか。その根本的な精神、法を活かす心構えを一から講義してくれる最良の入門書。憲法を最高法規とした段階構造に明確性、安定性、予測可能性など現代の法律の基本的な考え方をわかりやすく抑え、さらに一人一人の人間が法を学び、法律を考えていくための心構えや訓練法まで指南している。法学部生だけでなく広く一般人も読んで損はない一冊と言える。現在AmazonUnlimitedで読み放題なのもお得。単なる当たり障りのない説明ではなく根本理念を尊重しているのも好印象で流石の出来栄え2016/11/10
Kouro-hou
14
勉強読書。気が付くと民法や行政法等の細かい方にいってしまっていて、全体的な法律について学ぼうと法学入門とか見てみるとそっちの方が難しくて困ったり。その点ではこの本は初心者向けでわかりやすいと思いました。が、まっさらな状態から読むにはやっぱり難しいかも。他方面の入門書を一回りしてから来る場所なのかもしれません。学校で法律に縁がなかった当方には助かる本です。ただ若干思想に傾きを感じる箇所がいくつかあります。2015/06/02
マレオン
13
私は法学について、条文と答えをただ暗記する静的で無機質な学問、というイメージを持っていました。「〇法第△条により懲役5年を課す」みたいな。そのイメージは綺麗にひっくり返りましたね。目指す社会があり、その実現のために法律が存在する。法律同士の関係だけでなく、法律の目的や未来への影響も考慮しつつ、個別具体的な条文を解釈する。法学とは、そんなダイナッミックな動きと共にある学問なのだと理解しました。学生時代の自分なら興味を持たなかったでしょうが、社会に出て法に触れた今は、すごく興味深く感じています。面白い本でした2020/09/08
樋口佳之
8
ドイツの「航空安全法」の話は知りませんでした。可決する国会、違憲とした裁判所。別世界の話のよう。2016/04/20
じん
6
原点の原点に帰って読み物として読んだ。もちろんほとんどは、知ってる内容だけど、再発見することもある。自然科学の原理が「である」なのに対して、法では「こうあるべきだ」という「べき論」。それは価値観を主張すること。法律は価値観を実現するための道具。道具を上手に使うには、幅広い教養が必要。バランス感覚に優れた結論に導くには、やはり教養が必要だということ。2016/06/14