角川新書<br> 医薬品とノーベル賞 がん治療薬は受賞できるのか?

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角川新書
医薬品とノーベル賞 がん治療薬は受賞できるのか?

  • 著者名:佐藤健太郎【著者】
  • 価格 ¥880(本体¥800)
  • KADOKAWA(2016/09発売)
  • 3月の締めくくり!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~3/31)
  • ポイント 240pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784047316478

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内容説明

2015年、大村智氏らが受賞したノーベル生理学・医学賞は、実に27年ぶりに医薬品開発に対して贈られたものだった。
その間、エイズやC型肝炎などさまざまな病気の治療薬も開発されてきたが、いずれもノーベル賞受賞には至っていない。かつては「かぜ、水虫、がんを治す薬をつくればノーベル賞」ともいわれたが、医薬品開発でノーベル賞をとるのはそれほど単純ではないようなのだ。
では、どのような医薬品を開発すればノーベル賞がとれるのだろうか? がん治療薬をつくればとれるのだろうか? そもそも医薬品開発の難しさとはどこにあるのだろうか?
本書は、こうしたノーベル賞級の医薬品開発に焦点を当てる。過去から現在、そして未来に向けて、人類を救う医薬品開発の現場を見つめていく。
たとえば、すでに一部のがんに対しては、驚くほどの効果を示す治療薬が登場している。抗がん剤においては、人体にダメージを与えずに、病巣にだけダメージを与えることが難しい。しかし、新しいアイデアの登場により、これが可能になってきたのだ。そのアイデアとはいかなるものか? 細胞レベルでの戦いをわかりやすく説いていく。
また、近年一部の医薬品について、薬価高騰が大きな問題になりつつある。これが、ノーベル賞の選考にも微妙に影響を与えている可能性もある。この点についても合わせて考察を加えていく。
医薬品とノーベル賞――。27年の壁を崩した大村氏らの受賞には、実は単純ならざる意義があった。十数年にわたって医薬品研究の現場に身を置いてきた著者が、医薬の現在とあるべき未来を読み解く。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

テイネハイランド

12
図書館本。前に読んだ著者の本「番号は謎」が面白かったので、この本も借りることに。医薬品は身近なものですが、その内容については詳しく知らない人が多いのではないでしょうか。この本は、過去の医薬品の中から、ペニシリン(微生物由来の薬)、アスピリン(合成創薬)、タミフル(抗ウイルス薬)、イレッサ(分子標的治療薬)などを例に、現在までの医薬品の開発経緯について、要点をおさえて解説してあり、予備知識のない私のような人間が読んでも楽しめるなかなかの良書であると思いました。巻末に用語索引がないのが惜しまれるところです。2021/06/12

gtn

12
肺がん患者に対する高額新薬オプジーボは、当初使用患者数を470名と想定していたが、蓋を開ければ5万人となり、健保の財源に圧迫をかける一因となる。国民の金銭的負担を軽減するためにも、予防に力を入れることも必須。いっそ、法律で禁煙にしてもいい。当方もかつて愛煙家であり、禁煙を勧める家内に、ストレス解消もさせないのかと悪態をついたこともあったが、止めてみれば、別段何事もなく日々を送っている。2019/08/17

ふろんた

12
医薬品業界の諸事情がよくわかる。2016/11/25

もえたく

11
『炭素文明論』『世界史を変えた薬』と著者の本は医学系の話を分かりやすく読ませてくれて有り難いです。今回も医薬ではノーベル賞受賞しにくいことを上手に伝えてくれてますが、驚きは新薬が国家財政を食い潰すかもしれないという説。薬価の問題は厄介。2016/10/30

Mzo

7
佐藤健太郎氏の本は、分かりやすくてよいですね。タイトルほどノーベル賞の記載が多いわけではないですが、医薬品に関する内容が理解しやすく書かれている。本書刊行後に、オプジーボ関連でノーベル賞が授与されているので、著者の慧眼はもっと注目されてもよいと思います。mRNAワクチンの話などを含めた続編を希望します。2022/10/14

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