角川選書<br> 国際交易の古代列島

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角川選書
国際交易の古代列島

  • 著者名:田中史生【著者】
  • 価格 ¥1,496(本体¥1,360)
  • KADOKAWA(2016/01発売)
  • ポイント 13pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784047035676

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内容説明

国家誕生以前の古代において、越境的な交易関係は、文化の異なる地域や集団間でどのようにして結ばれ、いかに社会変容をもたらしてきたか。王権や国家間の外交史として語られがちな国際交易を、首長層ネットワークと威信財となったモノの動き、「海商の誕生」、東アジア海域での連鎖的で広域的な社会関係、唐物が偏重された背景などから探り、弥生時代からはじまる多様でグローバルな交易の実態を通史的に明らかにする。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

こぽぞう☆

22
邪馬台国以前から平安時代頃までの東アジアと日本列島の交易史。日本史の中で、外国ー東アジアとの交渉を目にし耳にすることは多いが、メインテーマとして扱った本は少ない。この本を読んで、日本史をかえりみると、日本古代の政治経済が東アジア抜きにしては語れないことがよくわかる。平安時代のいわゆる国風文化といわれる中でも、東アジアあってのことである。2016/05/19

はちめ

7
主には中国大陸や朝鮮半島との交易が紹介されているが、奄美地方など南島や東北や北海道との交易にも触れている。扱われている時代範囲も広く、古代における交易の全体像をイメージするのは簡単ではない。国家の歴史であれば、王など権力者の歴史を描けば良いわけで資料も得られやすいと考えられるが、交易の場合はそれを担った人たちの情報が少ない。その分、交易によって扱われた物が資料となり得るかもしれないがそれも簡単ではなさそうだ。初読の際にも感じたことだが、思い切ったフィクションを創り上げると面白いのではないかと思う。☆☆☆☆2019/07/30

きさらぎ

4
日本は北部九州から大和卑弥呼の時代を経て、律令国家王権へ、そしてその変容に伴う島津・奥州などの地方の実力者たちへ。中国は漢から唐、宋へ。そして半島は百済・新羅・高句麗の鼎立から新羅による統一、そしてその崩壊まで。古代から中世に至る長いスパンでの東アジア国際交易の歴史を、それぞれの地域の歴史を追いつつ、その時々の中央と太宰府との関係や、新羅人海商たちのネットワーク、彼らと太宰府や中央との関係、中央と地方の関係など、可能な限り具体的に、個人名や事例を紹介しつつ丹念に判りやすく描いたエキサイティングな一冊。2016/03/05

おらひらお

3
2016年初版。考古学と古代史の成果をうまく取り入れた一冊。なかなか考古学だけでは言えないところの考察も含まれていて参考になりました。木材の輸出など・・・。2017/02/18

nagoyan

2
優。古代列島社会では半島、大陸との交易は首長が直接行った。しかし、倭王権の成長とともに、中華を標榜する律令制国家となり、官司先買制=交易を厳格な管理下に置く。列島社会では、大陸とは異なり、「交易」によって威信財を獲得する能力があることが支配者に求められた。やがて新羅人「張宝高」のような海商たちのネットワークが東アジア交易を支えるようになるが、国際関係の緊迫化とともに、律令国家は、一面で彼らの活動に依存しつつも、他方で、彼らの経済活動を警戒するようになる。古代のグローバル化を描く。2017/07/15

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