内容説明
地震、台風などと同じく自然災害の一種として“怪獣災害”が存在する現代。有数の怪獣大国である日本では、気象庁内に設置された怪獣対策のスペシャリスト集団“気象庁特異生物対策部”略して“気特対”が、人を守るため昼夜を問わず駆けまわっている。7年前に出現した、少女の姿をした怪獣6号“ヒメ”。眠りについたままのヒメを移送中のヘリが、突如飛来した青い火球と接触、墜落する。それと相前後して、つくば市に暮らす高校1年生、案野一騎の頭の中へ少女の声が呼びかけてきた。それは、宇宙怪獣の地球襲来を警告するものだった! 本格SF+怪獣小説の傑作『MM9』第2部。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
absinthe
174
面白かった。またまた怪獣愛あふれる作品だが、今回はラブコメ要素が追加された。途中、いつまでラノベしてるんだ!とイライラする場面はあったが、戦闘が始まると迫力満点。巨大化すると3分しかもたないという設定もニヤリ。もっと長く続いて欲しかった…。読み切るのがもったいないので、次巻は間を開けよう。2016/09/24
Bugsy Malone
57
期待以上。「MM9」での気特対をストーリーの援護にまわし、今作は少年少女が大活躍。ラブコメ要素の多い前半では「あれ?前作とは方向が違うのか?」などと思いつつ、それでも楽しみながら読んでいたが、中盤からの宇宙怪獣襲来以降の宇宙怪獣による都市蹂躙の凄まじさ、ウルトラマン的役どころのヒメとの闘い、自衛隊との戦闘など大迫力の展開に大興奮。続編といえど読者を飽きさせない作者の意図に脱帽でした。2015/05/31
更紗姫
51
夢中で一気読み!読みながら 『見慣れた街が破壊される描写に興奮してる私って、どうなん?』と、ちょっと自分を嫌いになりかける程、文章に没頭。だけど、6号が神田川に到達した辺りで、心が悲鳴を上げる、『これ以上はダメ!ここで食い止めなきゃ』 もはや登場人物の一員に・・・。〈帰宅難民の夜〉を経験した身には、首都・東京の危うさは身近でリアル。だから一層、本作の〈潰される街〉が怖い、そしてそのリアルさが文句なしに面白い。明日は余計な事は考えず、ただただ〈可愛い巨大怪獣〉ヒメの活躍を堪能すべく、再読しようっと。2014/06/26
つねじろう
50
予想を裏切る面白さだった。前作のイメージは崩さず長編仕立てで、前作の主役クラスが脇を務め、サイドストーリーがメインに躍り出ると云う大胆なフォーメーション。これが見事に成功して居る。妖怪チームとの新たなバトルを思春期の少年少女の恋愛模様を絡ませ、怪獣レベル宇宙人レベルの三角関係まで持ち込む大きさとややこしさが面白い。でも、しっかり怪獣映画的な約束事は踏み外さないしそれらへのオマージュはキッチリちりばめられているのが憎い。ヒメ可愛いよ健気だし、ジェミーの今後も気になる。否が応でも次作への期待が高まりました。2014/06/16
よしぱん
42
★4 MM9part2は前作から6年経った世界。少女怪獣ヒメに精神生命体ジェミーが憑依し、主人公高校生とテレパシー会話しつつ、スカイツリーに落ちてきた冷凍怪獣と一騎打ち。ヒメは赤ビキニで巨大化して闘うという大サービス。嗚呼、これこそ男のロマンなのだろうか?ただの思い込みだろうか?いや、幼少の頃に怪獣の名前で文字を覚えた僕としては、どうしても細胞レベルで抗えない。言い切ろう、怪獣と水着はロマンである!2020/03/07