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内容説明
2500年を経ても、今なお、多くの人々に読み継がれる兵法書『孫子』。『孫子』が他の兵法書と異なり、後世の人々に大きな影響を与え続ける理由は、単なる戦争の技術にとどまらず、人間の心と行動を見据え、勝負の哲学にまで深められていることにある。本書は、『孫子』に影響を受けてきた二人が、過去の戦争や現代の政治・経済を題材にとりながら、勝つための方法を徹底的に論じ合ったものである。「すべての勝負はスピードが肝心」「部下をいたわりながらも、命令できるか」「情報収集に費用を惜しんではならない」など、二人が『孫子』から導き出した勝つための原理・原則は、読み手に多くのことを教えてくれる。人生はいついかなる時も勝負だ。そして勝負である以上勝たねばならない。しかし、戦争が力押しだけでは勝てないように、人生もまた戦術なくして勝つことはできないのである。大競争時代を生き抜く上でぜひとも読んでおきたい一冊である。
目次
計篇―戦う前になすべきこと、心がけるべきこと
作戦篇―最小の犠牲で最大の効果をあげる策の基本
謀攻篇―戦わずに勝つための手段
形篇―戦いのすがた
勢篇―「形」を「動」に転ずること
虚実篇―「実」で相手の「虚」を衝く
軍争篇―戦闘の心得
九変篇―逆説的発想の戦い方
行軍篇―布陣法および敵情察知法
地形篇―地形に応じた戦い方
久地篇―状況に応じた戦い方
火攻篇―火攻めの原則と方法
用間篇―情報活動
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たかひろ
5
2000年の本。渡部昇一と谷沢永一が対談形式ではなく、交互に、孫子について重ねて解説をしていくという形式の本。日露戦争や大東亜戦争(太平洋戦争というのは戦後GHQに押しつけられた名称であって、日本が戦前戦中に使っていた正式名称は大東亜戦争)の様々な作戦について、孫子の観点から見るとどうか?という2人の解釈が延々と書いてある。教科書などには出てこない人物の逸話などもあり、なかなか面白い。2024/02/27
かば
3
なんだかとっても政治的。そう感じるえら〜い上司が何人かいたので、その思想の源はなんだろうと、色々検討して見つけた本です。第二次世界大戦時の日本軍を例に出して、孫子の教えを説明しているのでとてもわかりやすいです。一番の教えは“兵は詭道なり”。今までは人と仲良く暮らすことばかり考えてきたのですが、社会の荒波を波乗りするため、こうした考えも嫌にならない程度に取り入れていきたいと思います。2021/07/14
忍
3
今自分が探し求めてる人生のバイブル候補に加えようと思う。解説本は内容が薄くなる気がしてあまり好きではないけれど、これは分かりやすいい、面白かった。戦争を例に使っていたが、試験や自分のチームがトラブルに見舞われた時にも応用が利きそう。しばらくしたらまた読む。2012/07/17
いえのぶ
3
第二次世界大戦のエピソードだけに無理やり結び付けている.今から戦争をしようと考えている人は少ないだろう.過去の戦争だけでなく、そこから現在のビジネスに結び付けたほうがもっと役に立つ.2011/03/15
monomono
3
太平洋戦争の話を使っていかに孫子の言う事が正しいか理解出来た。何千年も前にここまで戦に関して言い当てる孫子の観察力には圧巻です。言われてみれば大した事はないように思われがちですが、それが出来ない。勝つために重要な事が学べる一冊。2010/10/31